2.刑事手続の流れ(逮捕〜起訴まで)

刑事手続の流れは、検察官によって起訴されるまで(被疑者段階)と、起訴されてから(被告人段階)とで分けて見る必要があります(同じ容疑者でも、起訴されるまでは「被疑者」、起訴後は「被告人」と呼称が変わります。ニュースでは「**被告」と報道されますが、正しくは「**被告人」です)。

警察から犯罪を犯したのではないかと疑われた(嫌疑をかけられた)とき、逮捕されずに任意で警察署まで連れて行かれる場合(任意同行、任意取調べ)と逮捕される場合(強制処分)があります。

逮捕されないで、自宅にいるまま起訴される(在宅起訴)場合もありますが、多くの場合は、まず逮捕されます。

逮捕には大きく分けて、通常逮捕現行犯逮捕緊急逮捕の3つがあります。

逮捕された場合、通常72時間身体を拘束されます(48時間以内に警察→検察官へ送致が行われます)。検察官は逮捕してから72時間以内(被疑者を受け取ってから24時間以内)に、裁判所に対して、さらに身体の拘束を行うように請求し、裁判官が勾留状を発します。勾留は、まず10日間認められ、さらに必要がある場合には検察官は10日間の勾留延長の請求をします。つまり、身柄の拘束は逮捕時から、全部で最長23日間続くことになり(一部の重大事件をのぞく)、この間に検察官はその被疑者を起訴するか否かをとりあえず判断することになります。

この間、証拠隠滅の可能性などを理由に、家族が本人に会うことを禁止される場合が多くあります(接見禁止)。

身体の拘束は、上記23日間の間に起訴されない場合は、釈放されることになります。釈放の理由は不起訴の場合と、処分保留の場合があります。処分保留の場合は、捜査は続行されることになります。

基本的には、検察官は、上記23日間の間に起訴するかどうか決めるわけですから、この期間は非常に大切です。この間に被害者に対し被害弁償して、示談書を検察官に提出して、不起訴にしてもらうよう働きかけたり、身柄引受人が確保されていることなどを理由に勾留延長請求しないよう働きかけたりする必要があります。また、最近もよく話題になっていますが、過酷な取調べにより、本当はやっていないのに、無理やりやったと自白させられ、冤罪となってしまうケースもあります。そういった自白は、接見禁止によって家族に会うことができず、誰にも相談することができない中で、「どうせ自分の言うことなど信じてもらえないんだ」と絶望的な気持ちになる中で起こります。また、接見禁止がなく、家族が本人と面会できる場合であっても、面会時間は事実上制限されており、面会室には警察官がすぐ後ろで話のやりとりを聞いており、自由に何でも話せる雰囲気ではありません。 

上記72時間以内に起訴された場合は、身体の拘束はさらに続きます。起訴されてから第1回公判期日まで1〜2か月かかりますが、その間は身柄の拘束がされたままということになります。