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家族が突然逮捕された!

1 家族が突然逮捕された!

家族が逮捕されたと警察から連絡があった。

警察に行ったら今は本人に会わせられないと言われた。

起訴されて刑事裁判を受けることになってしまった。

留置場で本人に会ったら、保釈の手続をしてほしいと言っている。

差し入れはどうしたらいいのか。

刑事裁判も初めてで何も分からない。

事件の見通しはどうなるのか。勤務先への説明はどうすればいいのか。

恥ずかしくて知り合いにも相談できない。

弁護士に知り合いなどいない。皆様はどうされますか。 


家族が逮捕されたと警察から突然電話がかかってきました。皆様は、信じられないという思いから、まずは、何はともあれ、警察にかけつけ本人に会って話を聞きたいと思うはずです。ところが、警察からは身の回りのものの差し入れだけを許され、本人に会うことを認めてもらえない場合があります。


このようなとき、本人直接会って、周囲が心配していることを本人に伝え、本人から聞いた事情を、ご家族の皆さんにお伝えできるのは弁護士だけなのです。  

刑事手続の流れは、検察官によって起訴されるまで(被疑者段階)と、起訴されてから(被告人段階)とで分けて見る必要があります(同じ容疑者でも、起訴されるまでは「被疑者」、起訴後は「被告人」と呼称が変わります。ニュースでは「**被告」と報道されますが、正しくは「**被告人」です)。

警察から犯罪を犯したのではないかと疑われた(嫌疑をかけられた)とき、逮捕されずに任意で警察署まで連れて行かれる場合(任意同行、任意取調べ)と逮捕される場合(強制処分)があります。

逮捕されないで、自宅にいるまま起訴される(在宅起訴)場合もありますが、多くの場合は、まず逮捕されます。

逮捕には大きく分けて、通常逮捕現行犯逮捕緊急逮捕の3つがあります。

逮捕された場合、通常72時間身体を拘束されます(48時間以内に警察→検察官へ送致が行われます)。検察官は逮捕してから72時間以内(被疑者を受け取ってから24時間以内)に、裁判所に対して、さらに身体の拘束を行うように請求し、裁判官が勾留状を発します。勾留は、まず10日間認められ、さらに必要がある場合には検察官は10日間の勾留延長の請求をします。つまり、身柄の拘束は逮捕時から、全部で最長23日間続くことになり(一部の重大事件をのぞく)、この間に検察官はその被疑者を起訴するか否かをとりあえず判断することになります。

この間、証拠隠滅の可能性などを理由に、家族が本人に会うことを禁止される場合が多くあります(接見禁止)。

身体の拘束は、上記23日間の間に起訴されない場合は、釈放されることになります。釈放の理由は不起訴の場合と、処分保留の場合があります。処分保留の場合は、捜査は続行されることになります。

基本的には、検察官は、上記23日間の間に起訴するかどうか決めるわけですから、この期間は非常に大切です。この間に被害者に対し被害弁償して、示談書を検察官に提出して、不起訴にしてもらうよう働きかけたり、身柄引受人が確保されていることなどを理由に勾留延長請求しないよう働きかけたりする必要があります。また、最近もよく話題になっていますが、過酷な取調べにより、本当はやっていないのに、無理やりやったと自白させられ、冤罪となってしまうケースもあります。そういった自白は、接見禁止によって家族に会うことができず、誰にも相談することができない中で、「どうせ自分の言うことなど信じてもらえないんだ」と絶望的な気持ちになる中で起こります。また、接見禁止がなく、家族が本人と面会できる場合であっても、面会時間は事実上制限されており、面会室には警察官がすぐ後ろで話のやりとりを聞いており、自由に何でも話せる雰囲気ではありません。 

上記72時間以内に起訴された場合は、身体の拘束はさらに続きます。起訴されてから第1回公判期日まで1~2か月かかりますが、その間は身柄の拘束がされたままということになります。

身体が拘束されたまま起訴された場合は、身体の拘束はさらに続くのが通常です。

基本的には、身体の拘束は、裁判が終わるまで続き、執行猶予付きの判決が得られれば、その判決の日に釈放されます。

実刑判決であれば、身体の拘束はそのまま続き、判決の確定を待って、刑務所に入ることになります。

どんなに簡単な事件で本人が犯罪を認めていたとしても、起訴されてから判決まで、2か月はかかります。その間、学校や会社に通わなければならない場合であっても、出席・出社することは認められません。

そこで、起訴された後に、身体の釈放を求める制度として、保釈という制度があります。

保釈とは、裁判所が定めた一定の金銭(保釈保証金)を担保として納めることにより、公判期日(裁判の日)にきちんと裁判所に出廷することを条件に被告人を仮に釈放してもらうという制度です。被告人に逃亡の恐れがある場合、被告人が証拠を隠す疑いがあるようなときには認められません。

保釈保証金の額は、被告人が出頭することが担保できる金額となりますから、被告人の経済状態(裕福であるほど高額化する)、犯罪の性質(重大犯罪であるほど高額化する)等を考慮して裁判所が定めます。

一般的には、100万円から300万円くらいに定められることが多いようです。保釈保証金は被告人がきちんと裁判所に出廷し、裁判を受けると返還されます。

保釈後、被告人が逃亡し、裁判所に出廷しなかった場合には没収されます。 

なお、起訴される前の被疑者段階では、保釈は認められません。

起訴されると、被疑者から被告人と呼び名が変わります。

刑事裁判はまず、裁判官が入廷し、全員が起立して一礼して始まります。
まず、裁判官は被告人が間違いなくこの裁判の被告人であるか、氏名・生年月日・本籍地・住所・職業などを尋ねます。これを人定質問といいます。

次に、検察官が起訴状に書いてある公訴事実を読み上げます。これを起訴状朗読といいます。
起訴状の公訴事実には被告人がいつ、どこでどんな犯罪を行ったのかが簡潔に書かれてあります。またその行いが何という犯罪に当たり(罪名 例 窃盗)、罰条(例 刑法235条)が記載されています。

起訴状朗読が終わると裁判官は被告人に対し「被告人はこの法廷でされる質問に答えたくない時には何も答えないことができるし、ずっと黙っていてもいいし、答えたくありませんと言っても良い・・・」といった注意がされます。これを黙秘権の告知といいます。この黙秘権を踏まえ、裁判官は被告人に対し、検察官が朗読した公訴事実についてどこか違う点がないか、言い分は無いかを尋ねます。これを罪状認否といいます。
多くの場合、被告人はそれまでに警察または検察官に対して罪を認めて自白していますので、「間違いありません」と認めます。逮捕後一貫して罪を否認している人は、「まったく身に覚えがありません」と述べることになります。
裁判官は、被告人と同様に起訴状の内容について弁護人にも意見を求めます。
ここまでを冒頭手続といいます。

冒頭手続が終わると、引き続き証拠調手続に入ります。

まず最初に、検察官が冒頭陳述を行います。
冒頭陳述では、検察官は、被告人の身上・経歴(被告人の生い立ち・家族構成・学歴・職歴・前科前歴)、起訴された犯罪事実のその動機、犯行に至る経緯、犯行の具体的な状況、犯行発覚の経緯、身柄拘束後の状況などを述べます。

検察官は、冒頭陳述で述べた事実を証明するため、証拠等関係カード(書面)記載の関係各証拠の取調べを裁判所に請求します。
裁判官は弁護人に対し、検察官が取り調べの請求をした各証拠を採用して取り調べることについての意見を聞きます。
多くの場合、検察官が用意している証拠は書類であり、裁判官による取り調べを認める場合は「同意」、認めない場合は「不同意」と述べます。被告人が犯罪を認めている場合は、全ての証拠について同意することが通常です。

なお、裁判官は刑事裁判にのぞむにあたり、事前には起訴状しか読んでいません。これは先に刑事記録を読んで裁判に臨むと、その被告人が犯罪を犯したとの先入観をもって被告人を見てしまい、公正な裁判が期待できないからです。

裁判において証拠は、原則として弁護側(弁護側提出証拠は検察官)の同意がなければ採用されません。
従って、相手から不同意意見を述べられた証拠については、検察官はそれに替わる新たな証拠を提出するかどうかを検討します。
例えば、被告人がアリバイを述べて無罪を主張している場合、犯行現場で被告人を見たとの目撃者の供述調書は通常弁護人は不同意にします。検察官は、目撃者の述べることを裁判官に聞いてもらう必要がありますから、調書の代わりにその目撃者を証人として法廷に呼ぶことになります。


検察官は弁護側から同意のあった証拠について、それぞれ要旨を述べます(甲*号証は**で・・・と述べます)。その際、証拠物として犯罪時に使用された凶器や押収された覚せい剤などの現物が示されることもあります。

検察官の立証手続きが終了すると、弁護側の立証方針が裁判所から尋ねられます。
起訴された事実について争う場合は、弁護人が冒頭陳述を行ったり、証拠を提出したりします。
争わない場合は情状弁護に重点がおかれ、被告人の家族や上司が情状証人として証言台の前に立ち、弁護人の質問により、被告人の普段の生活状況を説明したり、今後の被告人の身柄監督を誓約したりします。
続いて弁護人、検察官、必要に応じて裁判官からそれぞれ被告人質問が行われ、他に立証する材料がなければ最終弁論の手続きに移ります。

検察官は、ここであらめて被告人の公訴事実について意見を述べます(これを論告といいます)。「犯行は短絡的で身勝手、計画的犯行、長期の矯正教育が必要」など、基本的には被告人の犯罪が重大であることを強調します。その上で、「被告人を懲役○年に処するのが相当」との意見を述べます(これを求刑といいます)。
引き続き、弁護人が意見を述べます。無罪の主張をしている場合には、改めて根拠を示します。
被告人が罪を認めており、公訴事実に関して争いがない場合は情状に関する意見を述べます。「執行猶予付きの判決が相当」などと述べます。

最後に裁判官が被告人に対し「これで結審するが、最後に述べておきたいことはありませんか」と、被告人に自由に話せる機会を与えます。これを最終陳述といいます。被告人が「反省していますので、寛大なる判決をお願いします」などと述べて結審となり、多くの場合、2週間程度後に判決が言い渡されます。

判決期日には、主文とそのような主文の内容に判断した理由、説諭などが行われます。多くの場合は、5分~10分くらいで終わります。

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