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個人再生Q&A

 

 

個人再生手続について、よく質問される事項をまとめました。

個人再生とはどんな制度ですか

個人再生と自己破産の違いは何ですか

個人再生の「5000万円以下」要件について

個人再生で借金はどのくらい減りますか

個人再生は簡単にできますか

会社が個人再生手続を利用することはできますか

パートやアルバイトでも個人再生手続を利用できますか

清算価値保証原則とは何ですか

個人再生の申立てに必要な書類はどのようなものですか

個人再生のスケジュールと流れ

個人再生手続を利用した場合、預金や生命保険はどうなりますか

個人再生において受領していない退職金はどうなりますか

個人再生は、子供や家族に迷惑がかかりますか

個人再生は、家族や勤務先会社に内緒で出来ますか

個人再生は、連帯保証人に迷惑がかかりますか

個人再生の弁済期間は何年ですか

個人再生を申し立てた後も賃貸マンションに住んでいられますか

再生計画が認められると、計画の履行は誰かに監督されますか

小規模個人再生において、再生計画が取り消されるのはどのような場合か

一部の債権者を除外して個人再生をすることができますか

個人再生をするとローン中の車はどうなりますか

個人再生をしても減額されない債権

住宅ローン特則とは何ですか

住宅ローン特則と個人再生手続の関係について

住宅ローン特約を利用するための要件について

リフォームローンでも個人再生の住宅ローン特則を利用できるか

自己破産ではなく個人再生手続を利用すべき場合とは

個人再生をする際に、税金の滞納がある場合はどうなりますか

個人再生が認められないケース(棄却・廃止・不認可)

個人再生後、再生計画が履行できない場合どうなるか

個人再生手続とはどんな制度ですか。

 5000万円以下の債務を負っている個人の債務者で、将来に継続的に又は反復して収入を得る見込みがある方が、将来の収入によって一定の額を原則3年の間に分割して返済する計画(再生計画)を作り、その再生計画について、債権者の意見を聴くなどした上で、裁判所がその再生計画を認めた場合、残りの債務が免除される手続です。

 自己破産と異なり、手続中の資格制限が無く、原則として手持ちの財産を処分する必要が無いというメリットがあります。
 その一方で、清算価値保証原則のもと、最低でも自己破産をした場合よりも多くの金額を弁済することが必要とされています。手持ちの財産が多ければ多いほど、個人再生での弁済額は大きくなります。

個人再生と自己破産の違いは何ですか。

① 自己破産は免責決定が受けられれば、原則として全ての借金を支払う必要がなくなります。一方、個人再生は、借金を大幅に減額することが出来ますが、原則として、3年間は再生計画で定めた金額を各債権者に返済していかなければなりません。但し、将来利息の免除を受けることが出来ます。

② 自己破産の場合は、浪費やギャンブル等は免責不許可事由となりますが、個人再生の場合はこのような規定はありませんので再生手続の申立は可能です(もっとも、浪費等が著しい場合や負債が出来た経過の不誠実性が顕著な場合には、裁判所による開始決定が得られなかったり、債権者の反対によって再生計画が認められない場合があります)。

③ 個人再生の場合には、破産者のような職業制限はありません(自己破産の場合、破産手続中は、生命保険募集員、警備員等になれませんが、個人再生の場合は仕事を続けられます。) 。

④ 自己破産の場合は、競売、売却等により、住宅を失いますが、個人再生の場合、住宅ローン付きの自宅を残したまま、住宅ローン以外の負債を減額できます。

⑤ 破産手続は、原則として誰でも利用することができますが、小規模個人再生、給与所得者再生は、利用できる債務者には条件があります。

個人再生の「5000万円以下」要件について

 個人再生手続は、一般の個人の利用を前提として通常の民事再生手続を簡易化した制度です。
 余りにも多額の負債がある場合には、通常の民事再生手続を利用することが念頭に置かれています。
 このため、個人再生手続においては、手続開始の要件として、住宅ローン等を控除した負債総額が5000万円以下であることが必要とされています。
 この5000万円には、連帯保証債務を含みます。

 個人の方で負債総額が5000万円を超えるの多くは、個人事業をされている方や法人の代表者保証をされている方ですが、個人再生を利用することは出来ず、通常の民事再生という選択肢もありますが、自己破産を選択する方がほとんどであると思われます。

個人再生で借金はどのくらい減りますか。

 債務額によって異なりますので、以下の表を参考にして下さい(小規模個人再生の場合)。

基準となる負債の額 

最低弁済額(支払う最低金額) 

~100万円

基準となる負債金額の全額

100万円~500万円 

100万円 

500万円~1500万円 

基準金額の1/5 

1500万円~3000万円

300万円

3000万円~5000万円

該当金額の1/10(上限500万) 

 基準となる負債の額には住宅ローンや抵当権などの実行等(競売など)によって債権者が返済を受けることができると見込まれる債権等を除きます。

 また、破産した場合の債権者への予想配当額(清算価値)を上回る金額を返済するという内容でなければ再生計画は認められません。

個人再生の申立ては簡単にできますか。

 個人再生手続は、申立人(個人債務者)が主体となって手続に関与しなければならない手続です。

 申立書や添付資料を作成することはもちろんですが、必要な資料を揃えたり、資料から必要なデータを抽出して弁済額算出のための計算をしたり、再生計画案など法律の要件を満たしたさまざまな書類を裁判所に定められた期限内に提出する必要があります。

 それらの法律の要件を満たした書類を期限内に作成・提出できなければ、それまで折角進めてきた手続がすべて無駄になってしまうこともあります。

 この点、裁判所は、基本的には提出する書類の作成等についてアドバイスしてくれませんので、個人再生手続に関する知識が必要となります。表計算ソフトを使用した細かな計算も必要です。また、場合によっては個人再生委員が選任され、その報酬金相当額を予納する必要があります。

 したがって、弁護士等の専門家に依頼せずにこの手続を進めていくことは困難ですので、個人再生の多くは、弁護士等の専門家が関与した申立てとなっています。

会社が個人再生手続を利用することはできますか。

 「個人」再生と言われているように、株式会社などの法人はこの手続を利用することはできません。
 個人事業者や農業を営む方などは個人に該当しますので、この手続を利用することができます。

パートやアルバイトでも個人再生手続を利用できますか。

基本的な要件は以下の2つです。

①借金の総額が5,000万円を超えないこと
(住宅ローン、担保のついている債権のうち担保で回収できる額、罰金などは除きます。)。

②将来において、反復継続した収入が見込まれる者であること。

パートやアルバイトの方であっても、これらの要件を満たせば個人再生手続を利用することができます。

 再生計画に基づく弁済総額は、破産の場合の配当額(清算価値)を上回るものでなければならないという原則をいいます(民事再生法174条2項4号参照)。

 例えば、現金や預貯金、保険解約返戻金、自動車などの資産の総額が120万円ある場合には、総債務額が500万円で通常の最低弁済額が100万円である場合でも、清算価値の金額である120万円以上を返済するという内容の再生計画案を作成しなければ、裁判所の認可が得られません。

 申立書及び添付書類は各裁判所によって異なりますが、当事務所が頻繁に申立を行っている神戸地裁では、以下のような書類が必要とされています。 

申立書印紙(1万円)、郵券(2760円)が必要です。
委任状弁護士に依頼する場合。
住民票3か月以内に取得のもの。マイナンバーの記載は省略。
賃貸借契約書住居地のもの。
源泉徴収票直近2年分。
給与明細書直近2か月分。
確定申告書事業者等。直近2年分。
陳述書各裁判所の体裁によります。
債権者一覧表全ての債権者を記載します。
債権調査票各債権者から送付されたもの。
判決・支払督促等債務名義がある場合は提出が必要です。
財産目録各裁判所の体裁によります。
清算価値シート各裁判所の体裁によります。
預貯金通帳写し過去1年分の取引を全て提出します。
取引明細書通帳を紛失又は一括記帳(おまとめ記帳)がある場合に提出します。
保険証券契約している全ての証券を提出します。共済証書も同様です。
解約返戻金証明書解約返戻金が証券から明らかでない場合に保険会社に発行して貰います。
退職金見込額証明書勤続5年以上の場合(神戸地裁の運用)
退職金規程及び計算書退職金見込額の取得が困難な場合。
不動産登記事項証明書現在又は過去2年以内に不動産を所有していた場合。共同担保目録付きのもの。
固定資産評価証明書同上
不動産査定書オーバーローンでない場合。
車検証車両を有している場合。家族名義で家計収支表にガソリン代が計上される場合。
車両査定書国産普通乗用自動車で7年落ち、軽・商用自動車で5年落ち以内の場合。
積立金証明書積立金がある場合。

家計収支表

直近2か月分。申立後も継続して作成提出する必要があります。
予想家計収支表予想される家計の状況を記載。
住宅ローン契約書住宅資金特別条項を利用する場合。
住宅ローン保証委託契約書同上
住宅ローン償還予定表同上
弁済許可申立書同上
滞納税金納付誓約書滞納税金がある場合、課税庁との話し合いの結果を報告する必要があります。

弁護士と委任契約、受任通知、債権調査

個人再生の申立て(委任契約から2か月前後)

再生手続開始決定(申立後1週間~2週間前後)

再生債権届出の期限

届出のあった再生債権に対する異議申述期間

再生計画案の提出期限(委任契約から6か月前後)

書面決議に付する旨の決定

再生債権者からの回答期限

再生計画の認可決定(委任契約から8か月前後)

認可決定の確定

再生計画に基づく弁済の開始(委任契約から10か月前後)

※ 資産・負債の内容、債権者の数、異議の有無等によって変動します。

 個人再生は、破産のように、債務者の財産を処分(清算)して債権者に分配する必要はありません。
 したがって、預金や保険契約を解約する必要はありません。

 しかし、上記7でも述べたとおり、個人再生手続には「清算価値保証原則」があり、破産した場合の債権者への予想配当額を上回る金額を返済するという内容の再生計画でなければ、認可されません。

 従って、ローンを支払い終わった高額の自動車や高額の保険解約返戻金、退職金がある場合、清算価値が高額になりますので、再生計画において、毎月の収入では清算価値以上を返済できない場合があります。このような場合は、財産を処分して返済にあてる必要が出てきます。

 保険について、契約者貸付がある場合、解約返戻金証明書は貸付金を控除した額が記載されます。契約者貸付金は、返戻金の前払いにすぎず、債権者一覧表にも記載しません。

 退職金も精算価値に加えて最低弁済額を計算する必要があります。既に退職金を受け取っている場合には、単なる預貯金となりますので、原則として全額を加えなければなりません。

 しばらく退職する予定が無い場合には、現時点で退職した場合に受け取ることが出来る見込額(退職金見込額)の8分の1を清算価値に加えます。将来本当に受け取れるか不確実であることが考慮された結果、8分の1を加えるものとされています。
 ほとんどのケースがこれに当たります。

 近日中に退職予定である場合には、退職金を受け取れる可能性が高く、実務的には見込額の4分の1を清算価値に加えます。

 個人再生を申し立てるに際しては、上記のとおり、現時点での退職金が幾らなのかを明らかにしなければなりません。
 通常は勤務先から「退職金見込額証明書」を発行してもらいます(体裁は問われません)。しかし、会社が発行してくれない又は会社に知られたくないという場合には、退職金規程のコピーと計算書を提出することで代えることも可能です。

 個人再生の申立てをすると戸籍や住民票に記載されて、何かの事情で学校などに提出する際に相手にわかってしまうのではないかという不安をお持ちの方がいらっしゃいます。

 親が個人再生申立をしても、子供の進学、就職、結婚などに影響することは通常ありません。家族が連帯保証人になっていない限り、家族への影響もありません。家族の財産が差押えされるということもありません。

 個人再生の申し立てには、2か月分の家計収支表を添付しなければならず、その疎明資料として、同居している者の収入資料(給与明細書等)の提出が必要です。
 別居している家族に内緒で申し立てることは可能かもしれませんが、同居している家族に内緒で申し立てるのは難しいのではないかと思われます。

 むしろ、個人再生手続により作成する再生計画案を確実に履行していくためには、家族の協力が必要となってくると思われます。
 申し立てを検討するのであれば、これを機に家族でよく話し合われた方が良いと言えるでしょう。

 勤務先会社については、勤務先会社や組合から借り入れをしていれば、必ずばれます。勤務先会社を債権者から除外して手続きを進めることは出来ないからです。
 借り入れをしていない場合、裁判所から勤務先に通知が行くということはありませんので、自分から言わない限り、内緒で申し立てることが出来る可能性はあります。
 但し、就労期間によっては、会社から「退職金見込額証明書」を発行してもらう必要があり、その際の提出先を説明する際に会社にばれる可能性があります。
 これについては、退職金規程により自分で計算することで代用することはできます。

 また官報には掲載されますので、官報からばれる可能性はありますが、官報を逐一チェックしている会社は極めて特殊な場合と考えられます。

 迷惑はかかってしまいます。

 主債務者が個人再生の申立をすると、通常、債権者は連帯保証人に対して請求をするからです。連帯保証人は支払を拒めません。

 そして、個人再生手続によって主債務者本人の借金が減額できても、連帯保証人の負債は減額されません。
 従って、迷惑をかける以上、可能であれば、手続を利用する前から連帯保証人とよく相談しておくことが重要です。

 また、連帯保証人は通常、債権者から残債務の一括請求を受けますので、連帯保証人も並行して、なんらかの債務整理手続をする必要が出てくる場合が多いです。
 債権者は、連帯保証人から従前の契約通りの弁済が継続する限り、必ずしも一括請求にこだわらないことが多いようです。
 個人再生の依頼を受けた弁護士が、連帯保証人の債権者との交渉の依頼を受けることも多いです。

 個人再生の弁済期間は、原則として3年と定められています。従って、再生計画案は3年で最低弁済額以上の額を弁済する内容で作成します。
 3年より短い期間は認められません。
 特別な事情がある場合には、5年までの計画も認められます。
 従って、個人再生の弁済期間は原則3年、最長5年ということになります。

 5年の計画を作成する場合には、特別な事情を報告書・上申書等により裁判所に説明しなければなりません。
 当事務所では、3年の計画では履行の確実性の観点で心もとないような場合には、4年または5年の計画を作成しています。

個人再生を申し立てた後も賃貸マンションに住んでいられますか。

家賃の滞納がない場合には出ていく必要はありません。

 従って、個人再生手続の申立をすると決めた場合でも、家賃は払っておく必要があります。

 家賃を滞納している場合には、通常、賃貸人から賃貸借契約を解除されてしまいます。明け渡しを求められると賃貸マンションを出ていかなくてはなりません。

再生計画が認められると、計画の履行は誰かに監督されますか。

 再生計画が認可され、確定すると、再生手続は終結します。債務者は、再生計画に従って弁済を初めていくことになります。

 この弁済にあたっては、誰かに監督されるということはありません。債務者が自主管理をしながら弁済してくことになります。

 但し、再生計画に従った弁済を怠ると、再生債権者の申立てによって、折角認可された再生計画が取り消されてしまうおそれがありますので、十分な注意が必要です。

 どうしても返済が困難になったときには、一定の要件を満たせば、再生計画の変更や免責の制度もありますので、専門家に相談してみることをおすすめします。

 再生計画の取消事由は、通常の再生手続と共通する取消事由と小規模個人再生手続に特有の取消事由の2通りあります。

(通常の再生手続と共通の取消事由)

1 再生計画が不正の方法により成立したこと(民事再生法189条1項1号)

2 再生計画の不履行(同2号)

3 再生義務者の義務違反(同3号)

(小規模個人再生手続に特有の取消事由)

清算価値保証原則に反することが明らかとなった場合。

一部の債権者を除外して個人再生をすることができますか。

できません。 

任意整理では必ずしも全部の債権者と対象とする必要はなく、一部の債権者だけ処理することができますが、個人再生では必ず全部の債権者を手続に加える必要があります。

 従って、例えばサラ金の借金だけを個人民事再生で処理して、知人や銀行の借金は手続から除くといった特別の取扱いはできないことになります。

個人再生をするとローン中の車はどうなりますか。

 ローンの支払いが終わっていない車の所有権はローン会社にあることが通常です(これを、所有権留保といいます。)ので、個人再生の申立てを行うと、ローン会社は車を引き上げて処分し、残債権に充当してしまうことになるでしょう。
 但し、車検証の所有名義がローン会社でなく、ディーラーやご自身である場合は、ローン会社からの車両の引き上げ要求を拒絶する必要があることがあります。
 専門的な事柄となりますので、弁護士とよく相談する必要があります。

個人再生をしても減額されない債権。

 個人再生をしても減額が認められない債権(非減免債権)があります。
 民事再生法229条3項に規定されています。
 具体的には、以下のような債権です。

  1.  再生債務者が、悪意で加えた不法行為に戻づく損害賠償請求権
  2.  再生債務者が故意又は重大な過失によって加えた人の生命・身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  3.  夫婦間の協力・扶助義務、婚姻費用分担義務、子の監護に関する義務に関わる請求権

 よく問題になるのは、交通事故の加害者になった場合の損害賠償債務(軽過失、物損は除く)、再生手続開始決定前の未納養育費等です。
 これらは、個人再生によっても減免されません。

 非減免債権も債権ですので、減額はされなくても、再生債権として手続きには加える(参加する)必要があります。

 非減免債権は、再生計画の履行期間中は、他の負債と同じ弁済率で弁済を行い、再生計画の履行期間が満了した際に、不足分を一括で支払います。
 例えば20%の弁済率、履行期間を3年と定めた再生計画で、100万円の未納予納金がある場合、履行期間(3年)中には20万円を支払い、3年後に差額の80蔓延を一括弁済します。

 履行期間満了時に一括で支払うことが必要となりますので、履行期間中もこれに向けて積立てを行っておく必要があります。

住宅ローン特則とは何ですか。

 昨今の不況の中、払えるはずであった住宅ローンが払えず、競売任意売却の方法により、住宅を手放すことを余儀なくされるケースが増大しているようです。

 住宅ローンには、金融機関により、住宅に抵当権という担保が設定されているのが通常です。
 従って、ローンが支払えなくなると、住宅ローン債権者(金融機関)は抵当権を実行(競売)して不動産をお金に換え、又は住居の任意売却を促して、優先的に返済に充てることになります。

 抵当権(担保)には優先して返済を確保する効力があり、この効力は、債務者が破産又は民事再生手続の中でも変更されません。従って、通常は住宅を手放さなければならないことになります。

 個人再生手続における住宅ローン特則は、個人にとっての住宅の大切さに着目して、不幸にして苦境に陥った住宅を持つ個人の方の経済的再建を支援するために設けられた制度で(住宅ローンの支払のために多重債務化していく人も多いのが実情です)、小規模個人再生手続、給与所得者等再生手続と組み合わせて利用し、住宅を手放さずにすむようにするものです

住宅ローン以外の負債はカットを受けますが、 住宅ローン自体はカットされません住宅ローンについては今までどおりの条件で支払うか、支払い条件を変更(リスケジュール等)して最後まで支払うかの選択をします。

 裁判所が再生計画を認可すると、住宅ローン以外の負債は3年から5年かけて支払い、住宅ローンについては、住宅ローン債権者と協議して定まった条件に従って、引続き支払いをしていくことになります。

住宅ローン特則と個人再生手続の関係について。

 住宅ローン特則は、小規模個人再生や給与所得者等再生のような特別の再生手続ではありません(「住宅ローン再生」のような手続は無い)。

民事再生手続において、住宅ローンの返済だけを特別に扱おうという制度にすぎません。

 従って、申立てをするには、利用する個々の再生手続の要件を満たした上で、更に住宅ローン特則を利用するための要件をも満たすことが必要になります。

住宅ローン特則を利用するための要件について。

住宅ローン特則を利用するための基本的な要件は次の二つです。

①「住宅」の要件
②「住宅ローン」の要件

それぞれの要件について原則的には以下のとおりです。

①「住宅」の要件
 1 個人の債務者が所有し、建物の床面積の2分の1以上が自己の居住の用に供されるものであること
 2 複数の建物がある場合には、そのうち主に住んでいる建物であること

②「住宅ローン」の要件
1 住宅の購入または改良に必要な資金に関するローンであること
 2 債権に分割払いの定めがあること
 3 住宅に住宅ローンのため(だけ)に抵当権が設定されていること

リフォームローンでも個人再生の住宅ローン特則を利用できるか。

 住居のバリアフリー化、浴室・洗面所の改修など、住居のリフォームのために金融機関から融資(リフォームローン)を受ける場合があります。

 リフォームローンのために住居に抵当権が設定されている場合、住宅の改良に必要な資金の借り入れ行為ですから、住宅ローン特則の対象となります。
 従って、個人再生手続を利用することにより、家を保持し続けることが出来る可能性があります。

 抵当権が設定されていない場合には、当該リフォームローンは一般の再生債権ですので、個人再生手続において、額の圧縮の対象となります。

自己破産ではなく個人再生手続を利用するのがよい場合とは。

 経済的更生の観点からいいますと、法的に借金がなくなる自己破産を利用すべきですが、以下の場合には自己破産ではなく、個人再生手続を利用する方がよいことになります。

 ① 破産手続で自由財産とは認められない高価な財産(住宅等)を持っており、その財産を維持したい場合

 ② 破産手続における制限職種(保険募集人、警備員等)に実際に就いており、一時的にも活動を停止することができない場合

 ③ 免責決定が得られる可能性が低い場合

個人再生をする際に、税金の滞納がある場合はどうなりますか。

 滞納している税金は、個人再生手続によっても、減免されることはありません。
 税金や健康保険料は、「一般優先債権」として、通常の借金より優先して支払わなければなりません。

 税金等を滞納していると、他の負債と異なり、課税庁は、訴訟提起をせずとも滞納処分として差し押さえをすることが出来ます。
 滞納処分による差押えは、個人再生手続によっても中止することが出来ませんし、裁判所から再生計画の履行可能性が無いと判断されてしまう場合もあります。

 従って、個人再生手続を検討している場合には、滞納税金の処理・解決に特に注意を払わなければなりません。

 具体的には、可能な限り税金は一括納付で支払うべきですが、それが出来ない場合には、予め課税庁に相談に行き、滞納している税金について支払方法を協議して定めることが必要です。
 個人再生申立にあたり、滞納している税金がある場合には、裁判所に分納協議の結果(もちろん協議がととのっていることが前提)を報告することになります。

 再生計画においては、「共益債権及び一般優先債権は随時支払う」と記載します。

個人再生が認められないケース(棄却・廃止・不認可)

 個人再生が裁判所に認められずに終了するケースとしては、「棄却」「廃止」「不認可」が挙げられます。

 このほか、認可確定後に「取消し」となる場合があります。

個人再生申立が棄却される代表的な例は、以下のような場合です。

  1.  申立人が「個人」で無い場合
  2.  住宅ローンを除く負債額が5000万円を超える場合
  3.  継続的・反復的に一定の収入が得られる見込みが無い場合
  4.  予納金の納付が無い場合
  5.  再生計画案の作成又は可決・認可の見込みが無いことが明らかな場合
  6.  不当な目的で申立てがなされた場合

個人再生申立が廃止される代表的な例は、以下のような場合です。

  1.  財産目録に不正な記載がなされた場合
  2.  裁判所が定めた期間までに再生計画案が提出されない場合
  3.  再生計画案が書面決議により否決された場合

個人再生申立が不認可とされる代表的な例は、以下のような場合です。

  1.  再生計画案に不備があり、補正出来ない場合
  2.  再生計画が履行される見込みが無い場合
  3.  清算価値保証原則を満たしていない場合
  4.  最低弁済額の要件を満たしていない場合
  5.  継続的・反復的に一定の収入が得られる見込みが無い場合
  6.  住宅ローン特則付きの個人再生の場合には、当該住宅や土地を失う可能性がある場合には不認可となります。住宅に滞納処分の差押えが入っているような場合です。
     

 当事務所で申立人代理人として受任した依頼者について、上記事情に該当して中途終了したケースは一度もありませんが、個人再生委員として関与したケースでは見かけたことがあります。
 特に個人再生申立に不慣れな専門家に依頼すると大変なことになりかねませんので、依頼時にはよく注意して下さい。

個人再生後、再生計画が履行できない場合どうなるか

 せっかく認可された個人再生でも、再生計画どおりに履行しない場合には、債権者の申立てにより、取消決定がなされる場合があります。
 条文上は、債権者は、1回の不履行でも取消しの申立てをすることが出来ますので、くれぐれも注意が必要です。
 但し、不履行により、当然に取消しとなったり、裁判所が職権で取り消すことは無く、あくまでも債権者の申立てが必要です。

 債権者としては、わざわざ取消しの申立てを行うのは手間がかかりますし、取消しになると債権は減縮前の元の額に戻りますので、ほとんどのケースは破産手続に移行し、結局債権を回収することが困難になってしまいますので、取消しの申立ては出来れば避けたいと考えています。
 従って、一次的な資金繰りでどうしても支払いが遅れそうな場合や、うっかり支払いを忘れていたような場合には、すぐに(又は事前に)債権者に連絡を取り、遅れた分を支払えば、再生計画が取消しになることは余りありません。

 数か月にも渡って再生計画の履行がなされない場合には、取消しの申立てがなされるのを覚悟しなければなりません。

 もっとも、裁判所に取消しの申立てが出来るのは、総債権額の10分の1以上に当たる権利を有する債権者に限られています(民事再生法198条3項)。

 再生計画の取消し以外に、訴訟や支払督促により債務名義を取得し、強制執行をしてくる場合もあります。

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弁護士紹介

弁護士:須山幸一郎

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弁護士登録番号:29617

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