借金相談・自己破産・債務整理・過払い金・個人再生・相続問題・遺言作成・遺産分割・離婚問題等、各種法律相談は神戸の弁護士事務所 「かがやき法律事務所」 へ。

かがやき法律事務所~神戸の弁護士事務所

〒650-0034 神戸市中央区京町74番地 京町74番ビル6階

法律相談は19:00まで
(フォームでの予約は土日含む24時間受付)
※メール・電話による相談はご容赦下さい

予約制・完全個室での個別相談を徹底

078-393-5022

業務時間:9:30〜18:00 (土日祝を除く)

離婚と子供の問題(養育費・親権)

養育費について

 養育費とは、衣食住の費用、教育費、医療費など、子供を養い育てるために必要な費用をいいます。

 離婚によって夫婦の関係が解消されても、親子の関係は一生続きますので、親は子供を扶養する義務があるとされています。

 従って、親権者にならない方の親、子供と一緒に生活しない方の親であっても子供の養育費を分担する義務があるのです。一般的には、親権者として子供を引き取る側から相手に対して養育費を請求します。

 養育費は、子供が未成熟な状態が終わるまでの期間について定められます。具体的には、資力、学歴、生活レベルなどの家庭環境を考慮して決めます。高校卒業までとするもの、成年になるまでとするもの、大学卒業までとするものなどに分かれています。

 養育費をどちらがどの程度負担するかは、まず、協議(話し合い)で決めることになります。

 話し合いができなかったり、まとまらなかった場合には、家庭裁判所調停の申立てをし、調停手続の中で話し合うか、審判で決めてもらうことになります。

 家庭裁判所は、原則として、養育費・婚姻費用算定表に基づいて養育費の額を決めます。その算定表は、最高裁判所のホームページに掲載されています。

養育費算定表

 算定表は、子どもの年齢と人数に応じて10種類あります。この中から自分のケースに該当する表を選びます。縦軸に義務者の年収が,横軸に権利者の年収が記載されていて、その縦軸と横軸の交点が相当な養育費の額とされています。
 いずれ、家庭裁判所が決める際にこの算定表が使われることから、当事者間で協議をする際も、この算定表が用いられていることが多いようです。

 また、いったん決められた養育費も、物価の上昇や進学による教育費の増加、リストラによる収入減など、その後の事情が変わると、これに応じて、その額や支払方法の変更を請求することができる場合があります。

養育費と面会交流

 調停等において、養育費の分担額を決める際、義務者から子との面会交流を認めてくれない限り、養育費の支払をしないという主張がされる場合があります。

 しかしながら、養育費の支払義務の存否及びその内容と面会交流は連動するものではありません。

 したがって、親である以上、子に対して養育費の分担義務があり、その内容は、生活保持義務(自分の生活を保持するのと同程度の生活を保持させる義務)を満たすものである必要があります。

 面会交流については、別途、子の福祉に十分配慮した上で、その程度及び内容について調整しなければなりません。

養育費をいつまで支払うべきかについては、法は明示していません。個々の家庭の状況により、話し合いで決めることになります。基本的には親の扶養義務の問題ですので、扶養を必要とするときまで、ということになります。

実務上は、

  1. 18歳に達するまで
  2. 高校卒業まで
  3. 成人(20歳)に達するまで
  4. 大学卒業まで

のいずれかで定めることが多いようです。

 現在では、大学進学率がほぼ50%に達しており、子が大学に進学している場合には、20歳を過ぎても授業料や生活費を負担することが当然であると考える母親・子が多いのは事実です。

 しかし、父がそもそも大学に進学することを承諾していなかったり、離婚後に子と交流出来ておらず、進学することを知らなかった場合や、浪人や留年などで大学卒業が延びた場合、理系学部の博士課程まで進学するなど、予想外の費用負担を強いられる場合もあり、大学等に通う20歳を超えた子の学費等の負担については、明確な基準はありません。

 実務的には、大学生の子の学費、生活費等は、父親が進学を承諾していた場合や、両親が大学を卒業しており子が、大学に進学することが相当と認められる場合には、支払義務が肯定される傾向にあります。

 調停等の話し合いにより解決する場合、大学に進学することを承諾し、学費を支払うことを承諾する場合でも、「国公立大学の授業料分の半額を負担する」「22歳に達した後初めて到来する3月まで」「上限は〇〇円まで」など、父親の支払限度を明確にしておくことも検討する必要があります。

養育費の支払方法

 養育費は、子を養育する親が子を監護、教育していくのに必要な日々発生する費用ですから、その性質上、定期的に支払われる必要があります。従って、養育費の支払方法は、毎月払いが原則です。一括払いの方法もありますが、実際の取決めは圧倒的に毎月払いとなっています。

 同居していない親と子供のつながりを維持するといった観点も毎月払いが多い理由となっているようです。

 ただ、子供がまだ幼いときに離婚しますと、養育費の支払は長期にわたりますので、途中で支払われなくなってしまうケースは多々あります

 相手方の性格上、支払いが期限どおりに行われないことが予想されたり、就労状況が不安定で将来の支払に不安があるような場合には、一括で支払ってもらうことも検討しなければなりません。

養育費のうち、「通常必要と認められるもの」については、贈与税の課税対象にはなりませんが、一括払いの場合には、「通常必要と認められるもの」とは認められず、贈与税が課される可能性がありますので注意が必要です。

 支払口座については、相手方名義の口座宛てに振り込むことが一般的ですが、子供名義の口座を開設し、その口座宛に振り込む方法も、子供のために支払っていると感じられて良いという方もいるようです。

養育費の支払を確保するためには

 養育費の支払いを確保する方法としては、家庭裁判所の調停調書にしておくのが1番の方法です。

 養育費の額について合意ができている場合であっても、家庭裁判所に調停申立をすることをお勧めします。費用はそれほどかかりませんし、必ずしも弁護士に依頼する必要もありません。

 相手が支払わなくなった場合、給料差押えなどの強制執行ができますし、家庭裁判所から後述する履行勧告履行命令を出してもらうことができます。

 調停で離婚をすれば、戸籍に「調停離婚」と載ってしまうのではないかと危惧される方もいるかも知れませんが、調停手続の中で離婚については、「すみやかに協議離婚届を提出する」と定めておいて、調停の場で協議離婚届を作成し(あらかじめ証人2人に署名・押印してもらいます。親でも結構です。)、すぐに役所に出せば、戸籍上、「協議離婚」になります。

 家庭裁判所に心理的な抵抗がある方は、それでも口約束に留めるのではなく、最低限、文書にして当事者双方が署名しておくことが重要です。後に紛争に発展した場合に重要な証拠となります。

 双方が公証役場へ行き、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておけば、不払いになったとき、その公正証書に基づいて給料差押えなどの強制執行をすることができます。

離婚に際しての公正証書の効用

 離婚に際しての合意を公正証書にしておくと、証拠力(公正証書に記載された内容どおりの合意が成立したことを公的に証明する効力)と以下に述べる執行力(養育費等を支払わない場合に、強制執行ができる効力)が生じます。

 これらの効力はいずれも重要ですので、弁護士は通常、離婚に際しての合意は公正証書にしておくことを勧めることが多いのです。

執行力について

 養育費、財産分与、慰謝料など、離婚に際しては、金銭の給付を約束することが多いですが、一定の金額を支払うことが公正証書の条項として定められ、支払義務者が、定められた条項を履行しなかった場合には、強制執行を認諾する旨の条項が記載されていれば(通常記載されます)、公正証書の執行力により、改めて裁判を起こさなくとも強制執行ができます(民事執行法22条5号)。

これにより、権利者は、養育費等が支払われないと、直ちに給与差押等ができることになりますから、支払義務者側は、任意の履行をする(約束を守る)ことが多くなり、合意の履行の確実性が高まるのです。

 家庭裁判所での調停や審判で決まった養育費を相手方が支払わない場合、家庭裁判所から相手方に対して養育費を支払うよう勧告をしてもらうことができます。これを履行勧告といいます。

 履行勧告は、家庭裁判所が養育費の不払いの事実、その理由などを調査し、不払いについて正当な理由がなければ、相手方に対し、きちんと決められた養育費を支払うよう助言、指導、催促をする制度です。履行勧告は、申立てが簡単で、手数料もかかりませんが、勧告には強制力がありません。

 履行勧告によっても支払われない場合、家庭裁判所は、申立があると、相手方の陳述を聞き、相手方が正当な理由がないのに支払義務を怠っていると認めれば、相当の期限を定めてその期限内に支払えと履行命令を発することができます。履行勧告を無視しても制裁はありませんが、履行命令に従わない場合には、10万円以下の過料に処せられることがあります。

 支払確保の最終手段は、強制執行です。強制執行とは、判決や審判・調停調書、執行認諾文付きの公正証書など、強制執行力のある書面により養育費の支払義務が定められている場合に、地方裁判所に強制執行の申立てをし、支払義務者(相手方)の財産から強制的に支払いを確保する制度です。

 強制執行を行うには費用がかかりますので、相手方の財産が確実に存在する場合、又はきちんとした勤務先があり定期的に給料を受領しているなど、強制執行により、確実に養育費の回収が見込まれるに行うのが一般的です。

 なお、民事執行法改正(平成16年4月1日より施行)により、養育費の支払確保が容易になっています。

具体的には、

  1. 養育費を月払い等の定期給付として合意した場合、相手方が不履行となったときは、不履行部分(既に支払われていない部分)のみならず、期限がまだ到来していない将来部分についても給料等の差押えができるようになりました(民事執行法151条3項)。
  2. 差押禁止の範囲が4分の3から2分の1に縮小されました(同法152条3項 これまでは給料の4分の1までしか差押えができなかったものが、2分の1まで差押えができるようになりました)。

未払い養育費、将来の養育費の強制執行

せっかく何度も家庭裁判所に出向き、調停で養育費の合意をしたにも関わらず、相手方から養育費が支払われない場合、相手に連絡しても無視されると、そのままあきらめてしまわれる方が沢山いらっしゃいます。

 しかし、養育費の支払いは、親子である以上扶養義務を負う親の義務であり、お子さんのためにもきちんと相手に支払わせる必要があります。

養育費について、単なる口約束ではなく、調停調書等の債務名義がある場合には、相手方の給与、退職金の差押をすることを検討しましょう。

給与差押がされた場合又は弁護士から給与差押の予告がされた場合、数十万円、数百万円の未払いの養育費が一括で支払われたり、養育費の支払いが再開されることも多いのが実情です。

 ただ、給与差押は、相手方の就労先にいきなり裁判所から差押決定が届きますので、相手方の職場での立場に影響すること(事実上の不利益が生じること)が予想されますので、専門家と相談しながら慎重に行うことが大切です。

給与差押は、支払期限が到来した未払いの養育費と併せて支払期限の到来していない将来分の養育費についても、一括して申立てをすることが可能です(したがって、支払期限が到来している未払いの養育費について差押えをする際、併せて将来分の養育費についても差押えの申立てをしておけば、毎月の支払期限が到来する度に、差押えの申立てをする必要はないので、手続としては1回で済みます)。

もっとも、将来分の養育費については、その養育費の支払期限後に支払われる給料からしか取り立てることができません。つまり、例えば、毎月の給料の支払日が15日、養育費の支払期限がその月の末日の場合、10月31日が支払期限の養育費は、11月15日に支払われる給料から取り立てることができますが、10月15日に支払われる給料からは取り立てることができません。

 養育費差押の弁護士費用

 当事者が話し合いにより増額又は減額に合意できれば養育費の増額又は減額も可能です。

 しかしながら、当事者の一方だけが、養育費の増額又は減額を求めている場合、一旦当事者が取り決めた養育費を変更することは容易ではありません。

 養育費の取り決めも離婚に伴う「約束」の一つですから、その約束が後で簡単に変えられてしまっては、約束が無意味となりますし、子供のためにもなりません。法律上、「事情に変更が生じたとき」に限り変更できるとされていますが(民法880条)、この「事情の変更」があっても、それにより、当然に養育費が増額又は減額されるわけではありません。原則として増額又は減額する旨の協議又は審判が必要です。

 どのような事情があれば「事情の変更」が認められるかですが、以前に養育費を取り決める際の前提が変更された場合には、増減額が認められることも多いものと思われますが、以前に養育費を取り決める際に当事者が当然に変更が予見し得た事情が現実化したにすぎないような場合などは「事情の変更」があったとは認められないとした裁判所の決定もあり、注意が必要です。

 従って、養育費を取り決める際には、離婚したい一心で養育費の取り決めを疎かにするのではなく、将来のこともよく考えて冷静に判断する必要があります。

「事情の変更」となりうるものとしては以下のようなものが挙げられます。もっとも、養育費は子の福祉のためのものですから、以下の事情があっても、必ず増額又は減額が認められるわけではありません。

  1. 物価の大幅な変動(通常の物価変動は不可)。
  2. 子供が私立の学校に入学し、教育費が増大したとか、病気や事故で高額の治療費がかかるというような子供の事情の変化(もっとも、子が学齢期に達すれば就学し、教育費が掛かり、養育費が多少増加する程度のことは養育費を取り決めるにあたって十分斟酌されたはずとして増額請求を認めなかった裁判所の審判があります)。
  3. 一方の親の収入が、病気、事故、会社倒産、リストラなどにより大幅に減少した場合、逆に取り決めをした当時よりも大幅に相手方の収入が増加した場合。
  4. 再婚等、家族構成の変化。

(養育費の変更の手続)

  1. まずは、当事者同士での話し合いで決めます。合意ができた場合には公正証書にしておくことが望ましいでしょう。
  2. 話し合いができなかったり、話し合ったけれども合意に至らなかった場合には、家庭裁判所に養育費の増額又は減額を求める調停又は審判の申立をすることになります。

 養育費の増減額の審判の場合、かなりの収入の増減がないと、養育費の増減額は認められない傾向にありますので、なるべく調停で認めてもらう方がよいと言えます。

 収入減収により養育費の支払いが困難となった場合には、勝手に支払いを減額するのではなく、出来るだけ早く調停申立をして、将来にわたり継続的に養育費を支払っていくには減額が必要であることを、よく説明することが重要です。

 親権とは、未成年の子を一人前の社会人となるまで養育するため、子を監護・養育し、子の財産を管理し、法定代理人となることを内容とする、親の権利義務の総称です。
 親「権」というと、親の子に対する権利のように思われがちですが、実際には義務の要素が強いといわれています。
 離婚に際しては、親権をどちらが取得するのかで、争いになることも多いのですが、親権者は、上記のような内容の義務を果たさなければならないということを覚えておきましょう。
 民法も「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」と定めています(820条)。
 従って、親が親権を濫用する場合、家庭裁判所によって親権が剥奪される場合もあります(834条)。

 親権に服するのは未成年の子です(民法818条1項)。実子であるか、養子であるかを問いません(同条2項)。
 未成年の子とは、20歳未満の子をいいます。就職し、自立した生活を営んでいても、20歳に満たなければ親権に服することになります。
 但し、未成年の子でも、婚姻すれば、成年に達したものと擬制される(民法753条)ことから、親権には服しません。

親権の行使について

 父母が婚姻中は、原則として父母が共同して親権を行使します。

しかし、父母が離婚することになると、共同して親権を行使することができなくなりますので、離婚に際しては父母のいずれか一方を親権者と定める必要があります。

未成年の子供がいる夫婦が協議離婚する場合、いずれか一方を親権者と定めて離婚届に記載しなければなりません(民819条1項、戸籍法76条)。親権者を定めていない離婚届は受理されません。
離婚することについて合意ができていても、親権者について協議がまとまらない場合は、結局協議離婚ができないことになります。
従って、このような場合には、離婚調停の申立てをし、調停手続の中で親権者をいずれとするかについて決めることになります。

 なお、妊娠している母が父と離婚する場合は、離婚後に出生した子の親権者は母となります。但し、子の出生後に父母が協議をして父を親権者にすることができます(民法819条1項ないし3項)。

 当事者間の合意により、親権者と監護権者を分離することも出来ます。しかし、実務的には不都合が大きく、子を健全に発育させるためにはこのような分離はすべきではないとされており、子の利益を十分に検討しなければなりません。父母の都合や妥協の産物として、親権者と監護者を分離すべきではありません。

養親も親権者となります(民法818条2項)
 但し、養子となった子に実親がいる場合は、実親は、親権を失うのではなく、養親の存在により親権が潜在化すると考えられています。
 それゆえ、養親が死亡した場合には、実親の親権が顕在化し、親権者変更の申立てをすることが出来ると考えられています。

裁判所の親権者の決定の基準はどのようなものか

 親権は、未成年の子を一人前の社会人となるまで養育するため、子を監護・養育し、子の財産を管理することを内容とする、親の権利義務の総称で、親の子に対する権利のように思われがちですが、実際には義務の要素が強いといわれていることは前述のとおりです。

 従って、親権者を父母のどちらにするかは、父母の側からというよりは、子供側、すなわち、子供の福祉の観点(どちらにするのが子供にとって利益になるのか)の観点から決められることになります。

 子供の福祉といっても、父母の事情は様々ですから、父母の生活状況等を加味して、総合的に判断することになります。

 一般に判断材料として考慮されやすいのは以下のような事情です。

  1. 父母の経済的能力・今後の監護環境
    →子の福祉の観点から、子の監護教育を行う環境が整っているかは考慮要素となります。
  2. 父母の心身の状況
  3. 父母の監護・養育にどれだけの時間を確保できるか(監護補助者の存在)
    →時間が確保出来るほど、子が寂しい思いをする可能性が減り、子の監護が手厚くなると考えられます。
  4. 父母のこれまでの監護・養育の状況、監護の継続性
    →現在の監護環境を調査し、特段の問題が無ければ、引き続き監護を担当させるべきであるという考え方。監護状況が変化すると、子にとっては変化に対応することを余儀なくされ、精神的身体的に負担になるという認識に基づいています。
  5. 子供の年齢・意向・性別
    →子の意向の確認は特に慎重にしなければならないとされています。子は、父母のいずれにも好かれたい、裏切りたくないという感情を抱いているのが通常だからです。
     従って、子の意向調査は、家庭裁判所調査官が担当し、子の態度や言動等を注意深く観察するなどして行われています。
  6. 子供の就学の状況
    →転校の可能性、受験等。
  7. 離婚についての有責性
  8. 面会交流の許容性(フレンドリー・ペアレントルール)
    →面会交流を含めた養育計画等を立て、他方配偶者に頻度の高い面会交流等を確約する者に親権者としての適格性を認める考え方。近時、面会交流の重要性から、このルールが重視される傾向にあります。
  9. 子の奪取の違法性

いずれにしても、親権をどうするかという問題は、何よりもどちらが親権を行使する方が子供の幸せと成長にとって好ましいかという問題です。従って、相手に対する意地などから、子供の福祉の視点を忘れることのないようにすることが重要です。

子の連れ去りは、夫婦が別居する際に生じる紛争類型です。
 典型的なのは、別居する配偶者が、他の配偶者と協議をすることなく、子を連れて家を出るケースです。
 法律相談において、他の配偶者に無断で子を連れて別居しても大丈夫でしょうかと尋ねられることがありますが、後日、子を連れていかれた配偶者が子を連れ戻すということもあり、子を夫婦の紛争に巻き込むことにもなりかねませんから、回答としては、出来る限り協議してから別居してくださいということになります。
 離婚が成立する前は、双方とも親権者として監護権を有していますので、協議をすることなく子を連れて別居を開始することが直ちに違法ということにはならないでしょうし、後に裁判所が親権者を判断するにあたって、殊更不利に取り扱われることは少ないように思われます。

 子が他の配偶者に連れ去られた場合、それまで子を監護していた一方配偶者が、子を連れ去った他方に対し、子の引き渡しを求めることになります。
 実務では、子の引き渡しを求める父又は母は、家庭裁判所に対し、子を連れ去った他方の父又は母に対し、子の監護者を自分に指定する審判を求め、審判によって子の監護者の指定を受けたうえで、監護権に基づいて子の引き渡しを求めることになります。通常は、子の監護者指定と子の引き渡しの申立ては同時に行います。

 家庭裁判所は、別居状態にある父又は母のいずれを子の監護者とすることが、子にとって利益であるのかを検討し、判断します。
 子の監護者が指定され、子の引き渡しに関する判断がなされても、抗告されると高等裁判所等の判断がなされるまで時間を要することになってしまいます。
 このため、上述の子の監護者指定及び子の引き渡しの審判を求める際には、仮に子を元の監護者に戻すよう「審判前の保全処分」の申立てを行います。
 そうすれば、家庭裁判所は、保全処分として、仮に子の監護者を父又は母のいずれかに定め、子の引き渡しを命じます。保全処分の申立てがなされると、家庭裁判所は、本案の審判事件よりも早期に手続きを進行させ、判断を行います。
 保育園や学校の前で待ち伏せし、子の取り戻しを実力行使で行う親がいますが、まさに子を夫婦の紛争に巻き込むことになります。後の親権者の適格性の判断の際にマイナス要素として考慮されることにもなりますので、上述の手続きを踏むことをお勧めいたします。

 上述の手続きにおいては、家庭裁判所調査官も関与し、手続の内容も専門的となりますので、父及び母のそれぞれが弁護士に依頼をしていることが多いといえます。

協議、調停、判決等による離婚の際、一方が親権者と定められますが、離婚後、当事者間の協議により親権者の変更(親権者とならなかった父又は母を親権者とすること)は出来ません。
 親権者の変更をするには、親権者変更の調停・審判の申立てをしなければなりません。

親などの保護者による虐待により児童が死傷する事件が多発するなど、児童虐待が社会問題となってきたことを背景に、親権を最長2年間停止する制度を柱とした「民法等の一部を改正する法律」が平成23年6月に公布されました。同法は、一部の規定を除き、平成24年4月に施行されます。

親権停止

第834条の2

これまで、親権を制限するには、期限を定めずに親から親権を奪う「親権喪失制度」しかありませんでした。

同制度は、要件が厳格であり、比較的程度の軽い事案に必要な親権の制限をすることができないとか、医療ネグレクト事案など、一定期間だけ親権を制限すれば足りる事案に過剰な制限となるおそれがあるなどの問題点があり、親子関係への影響も大きいため、申立てがちゅうちょされていると指摘されていました。

今回の制度では、親族や検察官らのほか、子ども本人や未成年後見人も家庭裁判所に親権の停止を申し立てることができるとし、2年以内の期間に限って親権を行うことができないようにする親権停止制度が創設されました。

親権停止の要件は、「父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」とされ、親権喪失の場合のような「著しく」という程度までは要求されていません。

請求権者は、民法に規定されている、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官のほか、児童相談所長にも請求権が認められました(改正児童福祉法33の7)。

また、子どもを保護し、財産を管理する後見人も、1人しか認めないのではなく、複数人や法人も務めることができることになります。

親権喪失

第834条

喪失原因は「父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき」とされました。

「虐待又は悪意の遺棄」という典型的な場合を挙げることで、親権が喪失される場合がより明確になりました。

請求権者は、改正前の規定で定められていた子の親族及び検察官のほか、子、未成年後見人及び未成年後見監督人が加えられました。

但し書きにおいて、2年以内に喪失原因が消滅する見込みがある場合は、親権の喪失をすることができない旨規定されています。このような場合に親権を喪失させてしまうのは、過剰な制限になるためです。

監護及び教育の権利義務

第820条

「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」

親権が子の利益のために行われなければならないことは、改正前の民法においても当然の理念と考えられていましたが、これを明確にするため「子の利益のために」との文言が付加されました。

懲戒

第822条

「親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。」

改正前の規定の文言では、親権を行う者は必要な範囲内でその子を懲戒することができるものとされていましたが、文言上、「必要な範囲」に何ら限定が設けられていませんでした。

懲戒権を口実に虐待を正当化しようとする虐待親の存在を考慮して、懲戒権の行使について文言上、「子の利益のため」でなくてはならないことを明文化しました。

法律相談の予約申込み・お問合せはこちら

兵庫県神戸市の弁護士事務所です。神戸市、明石市、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市、宝塚市、加古川市、三木市、加東市などを中心に兵庫県全域にお住まいの方からご相談をお受けしています。離婚問題 (慰謝料・親権・養育費・面会交流など)、不貞慰謝料問題、遺産相続・遺産分割問題、遺言の作成、相続放棄、借金相談 (過払金・自己破産・債務整理・個人再生など) 、損害賠償などの暮らしの法律問題、中小企業の債権回収等の法律問題を取り扱っています。お気軽にご相談下さい。マンション管理士資格を有しており、マンション管理組合 (理事会)の滞納管理費に関するご相談もお受けしております。

当事務所は、年間300件超のお問合せ実績、累計4240件超 (事務所開設9年8ヵ月 (平成29年8月末現在) ) の法律相談実施実績、常時相当数のご依頼を頂いて活動しております。安心してお問合せ下さい。

最短24時間以内のご予約も弁護士のスケジュール次第で可能です。

お身体の具合等により、事務所にお越しいただくことが困難な場合は、事情をお伺いし、出張面談も承ります (但し、別途交通費実費と出張日当を申し受けます) 。

お電話でのご予約・お問合せはこちら

業務時間:平日9:30~18:00 (法律相談は19:00まで)
予約フォームによる相談予約は土日含む24時間受付
定休日:土曜・日曜・祝祭日

事務所のご案内

かがやき法律事務所
Kagayaki Law Office

078-393-5022

078-393-5023

info@kagayaki-law.jp

〒650-0034
神戸市中央区京町74番地
京町74番ビル6階

事務所のご案内はこちら

最寄り駅

JR・阪急・
阪神地下鉄西神山手線 各線 「三宮駅」 南南西へ約5分

地下鉄海岸線 「三宮・花時計前駅」 徒歩約2分

地図・アクセスはこちら

業務時間

平日9:30~18:00
(法律相談は19:00まで)
予約フォームによる相談予約は土日含む24時間受付

定休日:土曜・日曜・祝祭日

当事務所は経済産業大臣より経営革新等支援機関として認定されています。

弁護士紹介

弁護士:須山幸一郎

兵庫県弁護士会所属
弁護士登録番号:29617

プロフィールはこちら

PDFファイルをご覧になるにはアクロバットリーダーが必要です。

Google+