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亡くなった方に相続人がいない場合、または法定相続人がいるのかどうかはっきりしない場合、相続財産について、利害関係人又は検察官の請求により、家庭裁判所が相続財産清算人の選任を行います。
相続財産清算人は、相続財産を管理しながら①相続人や相続債権者・受遺者の有無を確認し、②相続財産及び相続債務の内容を調査し、③相続財産の清算と残余財産の処理(国庫帰属の手続など)を行います。
家庭裁判所は、相続財産清算人を選任した旨(選任の公告)及び6か月以上の期間を定めて相続人捜索(相続権主張の催告)を公告し、相続人が名乗り出るよう促します(相続財産清算人選任の公告)。この公告は官報で行われます。
相続人捜索の公告で定められた期間内(通常6か月)に、相続人等から権利主張をする者が無かった場合、権利行使することが出来なくなります。
また、選任された清算人は、清算人選任公告があったときは、定められた期間内に満了するよう、すべての相続債権者及び受遺者に対し、2か月以上の期間を定めてその請求申出の公告・催告を行います。
定められた期間内に権利を主張しない相続債権者等は、権利を行使することが出来なくなります。
清算人が清算業務を行い、相続財産がまだ残っていた場合は、期間満了後、3か月以内に被相続人と特別の縁故があった者は、「特別縁故者に対する財産分与」の申立てを行うことが出来ます。
家庭裁判所は審判により、申立を認めて特別縁故者にその相続財産の一部若しくは全部を与えるか、申立を認めないかを判断し、最終段階に至っても残余財産が存在する場合は、清算人が国庫に帰属させる処理を行います。
最後に、裁判所は清算人選任審判を取り消して終了となります。
相続人ではないけれど、被相続人の面倒をみてきた、という方が、財産の分与を求めたいという場合、特別縁故者に対する相続財産分与の手続きをする必要があり、それにはまず相続財産清算人の選任の手続きをする必要があります。
自分で行うことが難しい場合は、弁護士に相談しましょう。
申立権者は、利害関係人又は検察官とされています。
利害関係人とは、相続財産に対し、法律上の利害関係を有する者、例えば、亡くなった方に対し債権を有していた方(例えばお金を貸していた方)、特定遺贈の受遺者、特別縁故者として財産の分与を求めようとする方、相続財産に対する担保権者、事務管理者(相続財産の保管者)等が挙げられます。
申立先は、相続開始地の家庭裁判所です。
申立手数料は、800円です。収入印紙を申立書に貼付します。
郵券(切手)の予納も必要です。具体的な額及び郵券の組み合わせは裁判所によって異なりますので、申立てをする予定の裁判所に確認するようにしましょう。
また、手続予納金として、100万円前後を納めなければなりません。
具体的な額、時期、方法等は、事案や裁判所によって異なりますので、申立てをする裁判所に確認するようにしましょう。
清算人の職務が限定されている場合や相続財産の中に十分な流動資産が含まれているような場合は、予納金の額が30万円程度となることもあります。
相続財産清算人の申立は、一般の方でも可能ではありますが、特殊な分野ですので専門家に依頼することをお勧めします。
申立をする際、相続財産清算人候補者の推薦をすることができますが、誰を選任するかは家庭裁判所の裁量事項であり、必ず候補者が選任されるとは限りません。
特別縁故者とは、民法958条の2第1項によれば以下に該当すると認められる者です。
同一の世帯で暮らしていた者が典型です。例としては内縁の配偶者、同性パートナーなどが挙げられます。
清算人も「特別縁故者と認められる」との意見を述べやすい類型でしょう。
「献身的に被相続人の世話をした者」と言われています。
親族の場合はもともと扶養義務を負っていますので、扶養義務の範囲内で世話をしていたとしても「特別の」縁故があったとは認められにくい傾向にあります。
報酬を得て職業として被相続人の世話をしていた者は、特段の事情が無い限り、特別縁故者とは認められません。
もっとも、報酬と貢献のつり合いが取れていない場合、報酬以上に献身的に被相続人の療養看護に尽くしていたといった場合は、特段の事情があるとして特別縁故者と認められることがあります。
生前に被相続人の成年後見人であった者の申立ても、元々成年後見人は被後見人の身上配慮義務がありますので、特別縁故者と認められるためには、成年後見人としての本来的な職務の程度を超える献身的な療養看護が存在したといった事情が必要と思われます。
審判例では、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者に該当する者に準ずる程度に被相続人との間に具体的かつ現実的な精神的・物質的に密接な交渉のあった者で、相続財産をその者に分与することが被相続人の意思に合致するであろうとみられる程度に特別の関係にあった者をいう。」というものがあります(大阪高裁決定)。
単に「生前被相続人と仲が良かった」「親交があった」という程度では認められるものではなく、要件は厳しいという前提で考えておいた方がよいでしょう。
法人も被相続人との関係性によっては「特別縁故者」と認められます。
審判例も複数存在しています。
清算人に、「特別縁故者に該当し、申立人に財産を分与するのが相当」という意見を書いてもらい、裁判所に財産分与の審判を認めてもらうためには、きちんと自分と被相続人との生前の関わりや自分の被相続人に対する貢献を上申書に記載するなどして適切に説明することが重要です。
特別縁故者に対する財産分与は、ご自身で申し立てることも可能ですが、「特別縁故者」と認めてもらう可能性を高めるため、弁護士に依頼し、申立書や上申書の作成、清算人や裁判所からの事情聴取に適切に対応してもらうことも検討しましょう。
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