離婚調停では弁護士を頼まないといけないですか?
離婚調停では弁護士を頼んだ方が有利ですか?
離婚調停で弁護士を頼むと費用はいくらかかりますか?
法律相談で必ずお受けする質問です。
これについては、離婚を考えている方ご自身の性格や置かれている状況によって異なってきます。
弁護士を依頼するかどうかは,以下の点を検討し、決めるのが良いと思います。
1 有利に離婚調停を進めたい
離婚調停では、裁判所の調停委員に相手方との調整をしてもらいます。調停期日では、相手方と直接話すのではなく、調停委員があなたの話を聞き取り、相手方に伝えます。
あなたの希望する条件での解決をめざすのであれば、まずは、調停委員に、あなたの言うことを正しく理解してもらうことが必要です。調停委員に「なるほど、この方が言っていることはとても頷ける。それなら、この条件も分かるし、相手に理解してもらえるように話さないといけないな」と共感してもらうように話すことが必要となります。
調停委員の共感が得られなければ、あなたの意に添うように相手方を説得してくれることは期待できません。
【弁護士に依頼していない場合に生じがちな問題点】
・緊張や怒りなどで、これまでに夫婦間で起きたこと、言いたいことをうまく伝えられない
・初めてで何を伝えればよいのかわからない
・言うべきことを言わないまま、感情的に言いたいことばかりを言ってしまう
・相手の主張に共感してしまっている調停委員に逆に説得されてしまう
【経験豊富な弁護士に依頼をしたら】
・調停期日に同席し、あなたの言いたいことをわかりやすく整理し、調停委員が共感してくれるように伝えてもらえる
・離婚調停で必要なことに重点を置いて伝えてもらえる
・本人の説明がわかりにくい場合、調停の現場でフォローしてもらえる
・相手の主張をふまえて説得的に反論をしてもらえる
・現場で言うと不利な発言をしないで済む
【有利に離婚調停を進めるために弁護士を依頼することをお勧めするのは】
(1)自分自身に不安のある方
・自分が言いたいことを裁判所の調停委員にうまく伝えることができないと不安な方
・余分なことまで言って自分が逆に不利になってしまうのではないかと心配な方
・何を言わなければいけないのか,何を言ったらいけないのかが分からない方
・どのような説明(資料の提出)をすれば、調停委員が共感してくれるのかわからないという方
(2)相手方との比較で不安のある方
・相手方が弁護士を依頼している方
・相手方はかなり口が達者、外面が良く、調停委員が騙されてしまうのではないかと心配な方
・調停委員は、相手方の話ばかりを信じている、相手方の言いなり、と感じている方
2 取り返しのつかない失敗を防ぎたい
条件に同意して離婚調停が成立してしまえば、調停調書は判決と同じ効力があり、仮にその内容が不公平なものであったとしても、後でその条件を変更することは原則としてできません。
調停を成立させてから、調停調書をもって相談に来られた方の中には、取り返しのつかない失敗をしている方が実際にいらっしゃいます。
【弁護士に依頼していない場合に生じがちな問題点】
・調停委員に強く説得され、不利な調停条項を受け入れてしまう
・調停条項の意味がよくわからないまま同意してしまう
・調停条項からはになることを想定して秘密にしておくべき事実や証拠を漏らしてしまい、不利な離婚裁判を強いられる
【経験豊富な弁護士に依頼をしたら】
・調停を成立させる前に、その調停条項の持つ意味、他の類似案件との違い、リスクの説明が受けられ、納得の上に調停を成立させることができる
・離婚訴訟になったときの見通しをふまえて条件を受け入れるかどうかを決められる
・調停中も、調停が不成立になった場合を視野に入れ、後の離婚裁判を念頭に主張立証をしていくことができる
【取り返しのつかない失敗をしないことを防ぐために弁護士に依頼することをお勧めするのは】
・気が弱い方、反論するのが苦手な方
・離婚に伴って不動産の処理が必要な方(住宅ローンを含む)
・養育費や慰謝料の支払義務が認められそうな方
・離婚条件が複雑になりそうな方
3 時間と精神的負担を軽減したい
調停は、裁判所に出かける物理的な時間が必要なほか、準備にも多大な時間を要しますので、離婚までにかける時間をいかに短縮するかが大事な観点となります。
日々の仕事、家事育児をしながら、相手方と対立する調停を進めていくのは精神的負担は想像以上に重く、早期に解放され、新たな人生を歩み始めることが望ましいといえます。
【弁護士に依頼していない場合に生じがちな問題点】
・仕事の時間や睡眠時間を削って準備しなければならない
・準備が不十分なまま調停に臨み、自分に有利な主張立証が満足にできない
・調停委員から求められた準備をしないまま調停に臨み、調停委員の気持ちが自分から離れてしまう
・相手が受けいれるはずもない離婚条件を提示して、調停手続を停滞させてしまう
・相手から有利な条件が提示された際に即座に成立させなかったため、相手方が提案を撤回してしまう
【経験豊富な弁護士に依頼をしたら】
・何より、自分の味方がいるという精神的な安心感が得られる。
・弁護士に依頼をして調停を起こすという行動は、離婚の意思が固いことを示すことになります。相手方がまだやり直せるという期待をしているような場合には、その期待が報われず、あきらめざるを得ないと考える動機となりえます。
・書類の収集、申立書の作成等、申立の準備がスムーズにでき,申立までの時間を短縮できる
・準備に煩わされる精神的負担や時間が減少する
・十分な準備をして調停に臨むことで出来、毎回の調停期日が充実する(解決が早くなる)
・相手の主張や提案に対し、その場で弁護士からアドバイスを受け、即座の対応ができる
【時間や精神的負担を軽減するために弁護士に依頼することをお勧めするのは】
・仕事や子どもが小さい等で忙しく、自分で準備する時間が取りにくい方
・離婚問題で自分自身が精神的に疲労していると感じる方
・相手方の言うこと(離婚条件)が毎回ころころ変わる,と感じている方
・早期の再婚を希望している方
・早期に離婚して公営住宅に転居したり、児童扶養手当を受給や市町村の福祉的サービスを受けたいと思っている方
4 弁護士に依頼するデメリット
デメリットとして、弁護士費用がかかることをあげる場合もありますが、これはデメリットではありません。
重い病気にかかったとき、「プロフェッショナルなこの先生に依頼したい」と考えるとき、治療費がかかることを「デメリット」とは考えませんよね。
要はお金を払ってでも、最善の手を自分が尽くしたいと思えるかどうかだと思うのです。
弁護士費用については、各弁護士によってまちまちですので、インターネットで依頼したいと考える弁護士の費用を調べたり、実際に相談に行って見積もりを出してもらうようにしましょう。
5 まとめ
離婚というのは、人生の岐路、その後の人生を大きく左右する場面になります。
確かに、離婚調停は、自分で進めることも出来る手続ですが、ここで失敗すると一生後悔することになります。
弁護士が提供するのは、目に見えない法的なサービスであり、依頼してもしなくても調停調書上の結果は変わらないかもしれません。
しかし、話し合いの過程での負担や将来への不安は大きく減退しているはずであり、結果とともに、その部分も大事なのではないかと思っています。
人生においてお金をかけてもよい場面というのは何度か出てくると思いますが(例えば、お子さんの学費、先進医療等)、数えきれないほどの離婚相談を受け、沢山の離婚調停、離婚訴訟を経験してきた中で思うことは、離婚もそのお金をかけるべき一場面であるということです。
まずは、相談に行ってみて、この人に頼みたい、と思うことが出来たなら、お金は後からでも稼ぐことはできますが、時間は戻すことは出来ませんので、やはり依頼をしておくことが大事だと思います。
逆に、頭の中で疑問符が生じるような弁護士には依頼しないことも大切です。この辺は医者と同じでしょうか。全面的に信頼してよいと思える弁護士に出会えると幸せですね。
本庁 | 支部 | 管轄区域 |
神戸 | 神戸市(中央区、東灘区、灘区、兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、北区、西区)、三木市、三田市 | |
伊丹 | 伊丹市、宝塚市、川西市、川辺郡猪名川町 | |
尼崎 | 尼崎市、西宮市、芦屋市 | |
明石 | 明石市、神戸市西区(※) | |
社 | 西脇市、小野市、加西市、加東市、多可郡多可町 | |
姫路 | 姫路市、相生市、赤穂市、赤穂郡上郡町、朝来市生野町、神崎郡(福崎町、市川町、神河町)、加古川市、高砂市、加古郡(播磨町、稲美町) | |
柏原 | 丹波市、篠山市 | |
龍野 | たつの市、宍粟市、佐用郡佐用町、揖保郡太子町 | |
豊岡 | 豊岡市、養父市 朝来市(和田山町、山東町、朝来町)、美方郡香美町(村岡区) | |
洲本 | 洲本市、淡路市、南あわじ市 |
※ 神戸市西区を管轄区域とする人事訴訟事件及び家事事件は、神戸家庭裁判所明石支部のほか、神戸家庭裁判所本庁でも取り扱われます。
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