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離婚の基礎知識

離婚の基礎知識

協議離婚

協議離婚は、本人どうしが合意すれば自由にできます。役所に離婚届を提出するだけでよく、その受理によって離婚が成立します。但し、未成年の子がいる場合は、どちらが親権者になるのかを決めなければ、離婚届は受理されません。

未成年者が離婚する場合も、婚姻により成年に達したものとされていますので、父母の同意は不要です。

調停離婚

本人どうしで話合いがつかず協議離婚ができない場合には、家庭裁判所に離婚調停の申立てをしなければなりません(調停前置主義)。

調停では、夫婦で話し合っても離婚の合意ができない場合や、離婚の合意はできたけれども、その他の付随する問題(養育費、慰謝料、財産分与など)に折り合いがつかないような場合に、家庭裁判所が間に入り、当事者間の問題を解決するためのサポートをしてくれます。場合によっては離婚をしない方向でアドバイスがされる場合もあります。

調停を利用すれば、離婚そのものの問題だけでなく,お金の問題、子供の問題を同時に解決することも期待できます。

但し、あくまでも調停は「話し合い」の場ですから、家庭裁判所が判断を下すのではなく、最終的には夫婦の話し合いによって合意に至ることが必要です。

調停の手続が進められても、離婚の合意に達しない場合は、調停は不成立として終了することになります。

審判離婚

調停でも離婚が成立する見込がなく,しかし家庭裁判所が相当と認めたときには,家庭裁判所が独自の判断で「調停に代わる審判」によって離婚を成立させることがあります。これを「審判離婚」といいます。

ただし、審判が下ってもどちらかから二週間以内に異議が申し立てられると効力を失い、裁判離婚に進むことになります。一方からの異議申し立てによって効力を失ってしまうため、ほとんど利用されていないのが実情です。

裁判離婚

協議離婚、調停離婚が出来なかった場合、離婚を希望する側は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することができます。

裁判による離婚は、法に定められた離婚原因がある場合に限って認められます。勝訴判決を得た場合には、一方が離婚を拒んでいても強制的に「裁判離婚」が成立します。

法定の離婚原因とは、

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 回復しがたい強度の精神病
  5. 婚姻を継続しがたい重大な事由

の5つです(民法770条1項)。

なお、離婚裁判を提起するためには、原則として、先に離婚調停を申し立て、その調停が不成立により終了していることが必要です(調停前置主義)。

和解離婚

この離婚の方法は、平成16年4月1日から可能となりました。従来、離婚の効力を生じさせる和解はできませんでしたが、人事訴訟法の改正により、裁判中、当事者(夫婦)が離婚する合意に達すれば、判決と同様の効力をもつ和解調書が作成され、離婚の効力が生じることとなりました。

※なお、調停・審判・裁判離婚の場合も、離婚成立後10日以内に「離婚届」を市区町村役場に提出しなければなりません(ただし、証人2名と相手の署名押印は不要)。

<添付書類>
  • 裁判離婚のとき・・「判決書」の謄本と「確定証明書」
  • 調停離婚のとき・・「調停調書」の謄本
  • 審判離婚のとき・・「審判書」の謄本と「確定証明書」
  • 和解離婚のとき・・「和解調書」の謄本

離婚届に判を押さない限り、裁判手続を通さずに、意思に反して離婚させられることはありません。
裁判においても、法定の離婚原因がある場合に限って離婚が認められます。

もっとも、既に夫婦関係が破綻しており、元の円満に戻る可能性が無い場合、感情的になって別れたくないと頑張ってみても益がない場合が多いことも事実です。

離婚に同意する代わりに、離婚に付随する財産分与、慰謝料等の条件を自分に有利に認めてもらうことで解決すべきことが多いと思われます。

どうしても離婚したくない場合は、調停で離婚に応じず、調停が不調に終わった後に提起された離婚訴訟において、離婚原因が無いことを主張立証していくことになります。

相手が勝手に離婚届を出しそうなとき
(不受理申出制度について)

例えば、妻が未だ離婚に同意していないのに、夫が妻の署名・押印を偽造して妻に無断で離婚届を出しそうなとき、どうすればよいのでしょうか。
 また、離婚届に一旦署名・押印してしまったけれども、考え直して離婚を撤回したいと思ったが、相手が離婚届を返却又は破棄してくれない場合、いつ役所に提出されてしまうかわかりません。こういった場合、どうすればよいのでしょうか。


役所は、当事者が本当に離婚意思をもって署名・押印したかについてまで調査することはできませんから、提出された離婚届の体裁に問題が無い限り、受理されてしまいます。受理された後、離婚の無効を主張することも可能ですが、容易な手続ではありません。

そこで、偽造の離婚届や真意によらない離婚届が受理されてしまうことを防ぐため、離婚届の不受理申出の制度があります。方法は、役所の戸籍係に備え付けの離婚届の不受理申出の用紙に必要事項を書き込んで申請するだけです。通常は、運転免許証等により本人確認が行われます。


不受理の期間は、以前は、6か月という期間が定められており、延長を希望する場合には、6か月の期間が経過する前に、再度申し出を行う必要がありました。

しかし、戸籍法が改正され、平成20年5月1日以降に申出をしたものについては、期間が無期限となっています。この改正に伴い、不受理申出を取り下げたい場合には、別途、「取下書」を提出することになりました。同制度は、年間数万件も利用されているようです。


なお、勝手に離婚届を作成して届け出た場合、離婚は無効であることは当然ですが、作成者は私文書偽造・同行使罪(刑法159条、161条)という刑法上の犯罪を構成することになり、処罰されることもあります。

離婚の合意ができない場合、家庭裁判所に調停の申立てをすることができます。
いきなり離婚裁判を起こすことは原則としてできません(調停前置主義)。

調停を始めるには、必ず裁判所に対する「申立て」が必要です。
「申立て」という言葉自体、一般人の方には馴染みのないものかもしれませんが、要は、裁判所に調停をしてほしいと申請する手続とご理解下さい。
調停の「申立て」は、申立書を作成し、添付すべき書類と併せて裁判所に提出して行います。申立書に記入すべき事柄、書類は、事件の類型によって異なります。弁護士に依頼をすると、この申立書の作成・提出から行ってくれます。

※「事件」という言葉も、一般人の方にはニュースで話題になるような刑事事件や出来事をイメージされる方が多いかもしれませんが、調停や裁判など、裁判所が取り扱う案件のことを、「事件」と呼び、案件ごとに「事件番号」で管理されます。

各調停の申立書の書式は裁判所に準備されていますので、実際に裁判所に出向いてもらってくることも出来ますし、裁判所によっては、ホームページからダウンロード出来るようにしているところもあります。

申立書の記入の仕方や添付書類、貼付する印紙代がよく分からないという場合、裁判所には「手続案内」がありますので、実際に裁判所に出向いて裁判所職員に相談することが出来ます。
但し、「手続案内」は、あくまでも申立書の記入の仕方や添付すべき資料について案内をするもので、事件の内容や、今後どう対応すべきかといったことを相談することは出来ませんのでご注意ください。


調停の申立は、原則として相手方の住所地の家庭裁判所又は夫婦が合意で定める家庭裁判所に対してしなければなりません。
別居して相手が遠方に居住している場合、例えば、申立人が神戸に居住しており、相手方が実家のある東京に戻っているとすれば、相手方が神戸の家庭裁判所に申し立てることに同意してくれない限り、東京の家庭裁判所に申し立てることになります。管轄の無い裁判所に申し立てた場合、管轄の裁判所に「移送」されてしまいます。

もっとも、遠方の家庭裁判所に出頭することは、時間的にも経済的にも申立人に負担が大きいことから、当事者双方の事情を考慮し、「事件を処理するために特に必要と認められたとき」には、例外的に管轄権のない家庭裁判所でも処理(自庁処理)してくれる場合がありますので、例外的な取扱いを希望する場合には、具体的な事情を書面にして裁判所に提出し、裁判官の判断を待つことになります
但し、相手方にとっては、本来自分の住居地を管轄する裁判所で行われるという利益を失うことになりますので、相手方から移送の申立てがなされることも多くあります。移送の申立てが認められるかどうかも裁判官の判断になります。


申立書には必要な額の収入印紙を貼り、夫婦の戸籍事項証明書、郵便切手等が必要となりますが、申立の内容によって収入印紙や必要な切手の額が変わってきますので、予め裁判所に確認しておくことをお勧めします。
申立書は、裁判所に直接持参することはもちろん、郵送により申し立てることも可能です。
但し、不備があった場合には、修正や書類の追加提出を求められますので、一般の方が自身で調停を申し立てる場合には、直接持参することをお勧めします。
郵送の場合は、普通郵便で構いません。

通常、申立ての際には、裁判所用と相手方用の2セットの提出を求められます。時折、裁判所に提出した申立書等の自分用の控えを取っていない方を見かけますが、自分が裁判所に提出する書類については、全て控えを取って保管しておきましょう。

申立書には、離婚を求めるのか、円満調整を求めるのか記入することになりますが、必ずしも記入した方向に話が進むとは限りません。
離婚を求めた場合であっても、調停手続で話し合いを進めた結果、双方がもう1度円満にやり直したいという気持ちになれば、円満調整の方向で調停がまとまることもあります。また、当事者同士で話し合った結果、調停を続ける必要がなくなった場合には、申立てを取り下げることもできます。

法律相談を受けていますと、家事調停が裁判所で行われるからか、当事者間の争いごとについて、裁判所が何か判断をしてくれると誤解されている方をよくお見掛けします。
しかし、「調停」は、同じ裁判所で行う手続であっても、「裁判」とは趣旨が全く異なります。調停は、あくまでも話合いによる解決を手続きです。裁判所は、基本的には、話し合いの場所を提供しているに過ぎないと理解してください。

人同士では話合いできないから裁判所を利用するのに、何か意味があるの?と思われるかもしれませんが、調停では、原則として、男女2名の調停委員という、利害関係の無い第三者が間に入ります。

待合室も双方当事者で離れた場所に別々に設けられており、個別に(通常交互に)調停室に入って調停委員と話をします。原則として当事者が同じ部屋に入って争いごとについて直接話し合うことはありません(最近は、調停期日が終わる際に、その日話し合ったことや次回までに準備しておくことの確認を、双方同席のうえ行う場合があります)。

調停委員は、双方の言い分を聴き、相手に伝えながら、どうしたらいいのか一緒に考え、解決に向けた妥協点を探り、時には宥めたり、励ましたり、解決案を示したりしながら調停を進めます。

当人同士では感情的になったり、喧嘩になったり、暴力の危険があるなどで話し合いにならない場合や、そもそも相手が話し合いに応じてくれないような場合でも、裁判所から呼出状が届き、話し合いの日時が裁判所に指定され、調停委員という第三者が間に入って調停室で行うことにより、多くの場合、冷静に話し合いが出来るようになります。

調停はあくまでも話し合いの場ですから、裁判所に何かを決められてしまうとか、結論を押し付けられるといったことはありません。調停(合意)を成立させるのか、不成立で終わらせるのか、成立させるとしてどのような内容にするのか、申立自体を取り下げるのか、については、全て本人の意思次第です。

調停委員の言うことに強制力はありませんし、どうしても譲れない場合には、最後まで突っぱねることも可能です。

もっとも、結局お互いに譲らなければ、何も進展がなく調停が終わってしまい、内容によっては、審判手続に移行したり、訴訟になったりします。

争いごとを抱えながら生きていくことは決して楽なことではありませんので、互いに意地を張らずに譲歩できる部分は譲歩し、お互いにとって、できるだけ早期に落としどころが見つけられ、解決することが出来れば、それに越したことはありません。

調停制度は、お互いが落としどころを見つける手助けをしてくれる制度と言えます。

なお、調停は非公開で行われ、調停委員は守秘義務を負っていますので、プライベートな問題を裁判で公にしたくない場合に、調停は有用です。また、裁判と異なり、時間面や費用面の負担も少なく、難解な手続きも必要なく利用できますので、当人同士でトラブルになっている場合には、調停を利用することも考えてみられては如何でしょうか。

家庭裁判所の受付に調停申立書を提出すると、収入印紙の額、切手の種類及び枚数、必要事項の記入漏れ、添付資料などの形式的な確認をされたうえで、受理されます。

形式的な不備がある場合には、補正が求められますので、その場で補正しましょう。

申立書に不備がない場合、家庭裁判所の書記官は「調停期日のお知らせ」(呼出状)などの書類を当事者(申立人、相手方その他の関係人)に送付します。呼出状は、実務上は、ほとんど普通郵便で発送されているようです。

初回期日は、概ね、申立書の提出日から1か月程度先の平日に指定されます。

夫婦関係調整(離婚)調停とは、夫婦間の離婚に関する問題について、裁判官(又は家事調停官)と民間から選ばれた調停委員2人(通常男女1名ずつ)で構成される調停委員会が、夫婦双方から事情や意見・希望を聴いて、お互いが納得して問題を解決できるように、助言やあっせんをする非公開の手続です。

実際の調停は調停委員2人が担当し、裁判官(又は家事調停官)は多数の事件を受け持っている関係で、調停室に入ることは余りありません(但し、調停委員から調停の経過の報告を受けており、内容は把握しています)。

調停期日には本人が出席するのが原則ですが、仕事の都合で平日の昼間に裁判所に行くことが困難であったり、うまく自分の言い分が話せないと思う場合には、弁護士に依頼することも可能です(但し、離婚が成立する期日は必ず裁判所に行かなければなりません)。


期日では、多くの場合、夫婦のそれぞれから個別にそれぞれの言い分を聴き取り、その内容を相手方に伝えながら、もう1度やり直すことはできないか、離婚はやむをえないとしても条件面で歩み寄れないか、などを調整します。

夫婦双方が同席して話し合うことは普通は行われません。待合室も、申立人と相手方でそれぞれ別の場所に設置されており、裁判所内で互いに顔を合わすことが無いように配慮されています。

1回の調停期日に要する時間は、事案の内容によってまちまちですが、およそ1時間~2時間程度であることが多いようです。

調停期日は、およそ1か月に1回のペースで開かれます。1回で不調で終わってしまうこともあれば、1年にもわたって何回も開かれる場合もあります。


家事調停の手続は、非公開で行われます。また、調停委員は秘密を守る義務を負っていますので、紛争の経過や内容が外部に知られることはありません。

調停に当事者以外の第三者が同席することは、調停の進行に及ぼす影響が大きいことから、原則として認められていません。

事案の内容によっては、裁判官の命令のもと、調停に家庭裁判所調査官が同席し、当事者の主張整理や感情の調整等をすることがあります。


調停で離婚の合意ができれば、裁判所が調停調書を作成してくれますので、謄本を裁判所から受け取り、10日以内に役所に離婚の届出をします。届出をするのは、原則として調停の申立人です。期間内に届出をしないと5万円以下の過料に処せられます(戸籍法135条)。届出義務者が10日以内に届出を行わない場合には、相手方が届出をすることができます。

調停で離婚が成立しなかった場合、離婚を実現するには離婚の裁判を起こすことになります。

調停委員
弁護士、家事の紛争解決に専門的知識経験のある人、社会生活上知識経験が豊富で人格識見の高い40歳以上70歳未満の人の中から最高裁判所が任命します。

調停は、双方が家庭裁判所に出席し、話し合いにより自主的に解決を図る制度ですから、双方が出席して協力することが必要です。

調停委員会は、相手に出席するよう働きかけを行ったり、譲り合いによる解決ができるように努めます。また、事案によっては裁判所調査官が直接連絡をとって、出頭を勧告することもあります。

それでも当事者が出席しない場合や合意ができない場合には、調停は不成立として終了します。


それでも離婚を実現したい場合には、次の段階として、後述する離婚裁判を提起する必要があります。

離婚裁判では、申立人を原告、相手方を被告と呼びます。

離婚裁判で被告が欠席しても、裁判手続においては、あまり関係がありません。裁判所は、原告の主張と提出された証拠に基づき、判決を出します。

むしろ、被告が欠席したままのほうが、場合によっては早期に判決をもらえることになります。

DV事案の調停

DV事案の調停は、家庭裁判所も、通常、当事者双方が裁判所の庁内で対面することがないよう、呼出時間や退庁時間をずらしたり、調停室の階を分けたりして、特別の対応をしています。

したがって、当事者としても、DV事案で、調停においてもトラブルになる可能性がある場合には、裁判所に対し、その旨を事前に伝えるようにしましょう。

調停の成立場面について

調停手続の中で話し合い、合意ができると、調停委員会で合意内容及び調停条項を検討します。 

内容及び条項に問題が無ければ、裁判官(または家事調停官)と調停委員及び書記官が調停室に入り、裁判官(または調停官)が、当事者双方の面前で、調停条項を読み上げ、双方にこの内容でよいか確認します。

双方がこの内容でよいと答えると、調停が終了します。


調停は、双方が合意しただけでは法律上の「調停の成立」とはなりません。書記官が調書を作成することにより「調停が成立」したことになるからです。

したがって、書記官は、話し合いが成立すると、ただちに調書を作成します。

離婚調停の成立と届出

調停手続において、当事者双方が離婚に合意し、調停が成立すると、直ちに離婚の効果が生じます。役所への届出が済んでいなくとも、離婚の効果は生じています。

もっとも、わが国では戸籍制度をとっていますので、離婚という身分関係の変動が生じた場合には、戸籍に反映させなければなりません。

そこで、離婚調停が成立した場合には、事後的に、調停の申立人(合意すれば相手方でもできます)が、調停調書謄本を添えて、調停成立後、10日以内に、市区町村長に離婚に届出をすることが必要です。

離婚調停が成立しても、申立人が10日以内に届出をしないときは、相手方が届出をすることができます。

期間内に届出をしないと、5万円以下の過料に処せられます(戸籍法135条)

「相手方の申出により」の調停条項

離婚調停が成立した場合、申立人が戸籍の届出をしなければなりませんが、当事者間で、相手方が届出をする旨の合意をすることができます。

離婚調停の調停条項が「相手方の申出により、」と作成されるのは、以下のような事情で相手方が離婚の届出をすることが想定される場合です。

婚姻により、氏を改めた妻は、離婚により、戸籍を別にする手続のほか、離婚の際の氏を婚姻前の氏に復したり、続称する手続を行います。

これらは、離婚の届出と同時に行うと手間が省けるため、婚姻により氏を改めた者が相手方(妻)の場合(つまり夫が妻に対して離婚調停を起こしたような場合)には、このような合意をして、相手方(妻)が離婚の届出をできるようにするのです。

調停でも離婚が成立しなかった場合(離婚訴訟の提起)

調停でも離婚が成立しなかった場合、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することになります。

協議離婚、調停離婚は、当事者が離婚に同意しなければ離婚が成立することはありませんが、裁判離婚では、たとえ一方が離婚したくないと主張しても、法律上の離婚原因が裁判所に認められれば離婚が成立します。

どこの裁判所に訴訟を提起するか(管轄)については、調停の場合と異なり、当事者いずれかの住所地を管轄する家庭裁判所となります(調停は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所)。従って、相手方が遠方に居住している場合でも、自分の住居地を管轄する家庭裁判所に離婚訴訟を提起することができます。

もっとも、被告の応訴の負担等について公平を欠くと認められるような場合には、被告の住所地を管轄する家庭裁判所へ移送されることもあります。

訴訟を起こすには訴状を作成して家庭裁判所に提出することになります。ある程度柔軟な対応が可能であった調停手続と異なり、裁判手続では、厳格な手続が要求されますので、訴訟段階に至ってからは弁護士に依頼されることをお勧めします。実際、調停までと異なり、訴訟段階においては、弁護士に依頼される方が多いようです。

離婚裁判の内容について

離婚裁判も裁判ですから、調停手続まではある程度口頭での説明で足りたのとは異なり、自分の主張を訴状、答弁書、準備書面という形で書面でまとめなければなりません。

そして、主張した事実の存在を裏付ける証拠を準備し、裁判所に提出しなければなりません。たくさんの言い分があったとしても、それを裏付ける証拠が無い限り、裁判所は主張した言い分を認めることは基本的にはありません。

なお、裁判は原則として公開法廷で行われますので夫婦の内情が公然と明らかになります。場合によっては、互いに悪口、欠点を感情的に言い合うことになりますので、訴訟を遂行する上での精神的負担は大きいものとなります。

また、調停手続までとは異なり、訴訟手続も複雑になり、長期化することも多く、仕事をお持ちの方は平日の昼間に裁判所に出廷すること自体が時間的負担となります。

従って、弁護士に依頼するメリットは大きいものと考えられます。

相手が音信不通である以上、協議離婚ができません。

この場合、調停前置主義の例外として、調停を経ずに離婚の裁判を起こすことが認められています。

裁判所は、訴状が提出されると、相手方へ訴状等の書類と期日呼出状を送付する(送達する)のが通常ですが、行方不明の場合、相手の居場所がわからないので、公示送達の申立をすることにより、裁判所は、掲示場に掲示して通知します(公示送達)。

公示送達により、掲示場に掲示されてから2週間を経過したとき、相手方に送達されたことになり、相手方が裁判所に出廷しなくても裁判が進められることになり、最終的に判決が得られることになります。

相手方の身分・権利関係に重大な影響を及ぼしますので、公示送達の申立は、単に「相手が行方不明」と述べるのみでは不十分で、戸籍の附票や住民票、行方不明になった事情等を記載した報告書を提出することになります。

裁判上の離婚原因(総論)

民法に定められているの離婚原因は、

  1. 不貞行為
  2. 悪意の遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 回復しがたい強度の精神病
  5. 婚姻を継続しがたい重大な事由

の5つです(民法770条1項)。

では、上記5つの事情のいずれか一つがあれば、離婚は必ず認められるのでしょうか。

770条2項は、「裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と定めています。

従って、形式的には上記1~4のいずれかの事情があっても、夫婦間の事情(子供の有無、年齢、双方の資産、収入状況、婚姻期間、性格、破綻・訴訟に至った経緯等あらゆる事情)を考慮して、裁判官が離婚を認めないという判断をする場合もありうることになります。

裁判上の離婚原因(不貞行為)

「不貞行為」は、裁判上の離婚原因とされています(民法770条1項1号)。

配偶者が他の異性と交際(浮気)してもそれだけでは離婚原因としての「不貞行為」とはなりません。

「不貞行為」とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいいます(最高裁昭和48年11月15日)。

従って、肉体関係がなければ裁判上の離婚原因としての「不貞行為」にはあたらないことになります

もっとも、たとえ肉体関係がなくとも、他の異性との交際の程度によっては「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として離婚原因となる場合はあるでしょう。

また、不貞行為があれば、必ず離婚が認められるというものではありません。

770条2項は、「裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と定めています。

従って、形式的には「不貞行為」があっても、夫婦間の事情(子供の有無、年齢、双方の資産、収入状況、婚姻期間、性格、破綻・訴訟に至った経緯等あらゆる事情)を考慮して、裁判官が離婚を認めないという判断をする場合もあります。

1回限りの「不貞行為」で、本人が真摯に反省悔悟している場合には離婚原因とならない場合もあります。

裁判上の離婚原因(3年以上の生死不明)

「3年以上の生死不明」は、裁判上の離婚原因とされています(民法770条1項3号)。

単なる行方不明ではなく、最後に生存を確認できたときから、3年以上にわたって生死不明の状態が続いている場合をいいます。

相手が生死不明の状態ですから、調停を起こす意味がなく、調停前置主義に関わらず、生死不明の状況を明らかにして、離婚訴訟を起こすことになります。

婚姻関係破綻の原因を作り出した本人のことを「有責配偶者」といいます。

夫婦関係が破綻していることを理由に、有責配偶者(例えば、愛人をつくった夫)から離婚請求がされた場合、認められるのでしょうか。

この場合、原則として、裁判では離婚は認められません。愛人をつくるという不正義に法が手を貸すことになるからです。

もっとも、夫婦関係が完全に破綻しているにも関わらず、戸籍上だけの夫婦関係を維持するのは行き過ぎであることから、別居が相当期間にわたっていることなどいくつかの事情がある場合には、例外的に有責配偶者からの離婚請求が認められる場合があります。

具体的には、

  1. 相当長期間の別居があること
  2. 未成熟の子がいないこと
  3. 離婚により相手方配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれることがないこと

等の事情がある場合は、有責配偶者の離婚請求も認められるとされています(最高裁昭和62年9月2日判決)。

それぞれの要件が、どのような場合をいうのかについては、事情によって異なりますので、専門家に相談されることをお勧めします。

なお、破綻後の有責行為夫婦双方に同程度の有責行為がある場合は、判例でも離婚請求が認められています。

子が離婚届が受理されてから300日を経過した後に生まれてきた場合は、その子は「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」として母親の戸籍に入ることになります。

一方、離婚届が受理されてから300日以内に生まれた場合、親権は自動的に母親のものになります(民法819条3項)が、夫の子と推定され(民法772条)、父親の戸籍に入ります。母親の戸籍に入れたい場合は、子の氏の変更許可申請書を家庭裁判所に出さなくてはなりません。

生まれてきた子供が、夫の子ではないということもありえますが、現在の制度では、別れた夫の戸籍にはいってしまいます。

この場合夫側は、摘出否認の訴え、親子関係不存在確認の調停申立て等を行い、親子関係が無いことを証明しなければなりません。

夫婦が離婚する際、離婚に伴う財産上の給付を確実にする方法として公正証書の利用が挙げられますが、妊娠中の子について、出生前でも養育費給付の条項を定めることが可能です。

(参考:妊娠中の子の養育費給付条項)
「夫は妻に対し、妻が妊娠中の子の養育費として、子が出生した日の属する月から子が20歳に達する月まで、月額○万円の支払義務があることを認め、これを毎月末日限り、妻の指定する銀行口座に振り込みの方法で支払う。」

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弁護士紹介

弁護士:須山幸一郎

兵庫県弁護士会所属
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