離婚調停で離婚できそうに無い場合には、離婚訴訟を提起するかを検討しなければなりません。
離婚訴訟は、それまでの調停と異なり、手続きも厳格で、一般の方がご自身で対応するのはかなり大変です。可能な限り、弁護士に依頼して対応することをお勧めします。
調停で離婚することが出来なかった場合、離婚を希望する側の配偶者は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することになります。
協議離婚、調停離婚は、当事者が離婚に同意しなければ離婚が成立することはありませんが、裁判離婚では、たとえ一方が離婚したくないと主張しても、法律上の離婚原因が裁判所に認めてもらうことが出来れば離婚が成立します。
どこの裁判所に訴訟を提起するか(管轄)については、調停の場合と異なり、当事者いずれかの住所地を管轄する家庭裁判所が原則となります(調停は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所でした)。
従って、相手方が遠方に居住している場合でも、お近くの自分の住居地を管轄する家庭裁判所に離婚訴訟を提起することができます。
訴訟を起こすには訴状を作成して家庭裁判所に提出することになります。
私は依頼した方が良いという意見です。大半の弁護士も同様の助言をするのではないかと思われます。
調停手続までは裁判所も柔軟な対応をしてくれますし、ある程度口頭での説明で足ります。
しかし、離婚裁判は、訴訟法に基づき、厳格に進行されます。
自分の主張を訴状、答弁書、準備書面という形で書面でまとめなければなりません。
そして、主張した事実の存在を裏付ける証拠を準備し、裁判所に提出しなければなりません。
たくさんの言い分があったとしても、それを裏付ける証拠が無い限り、裁判所は主張した言い分を認めることはありません。
また、非公開だった調停とは異なり、裁判は原則として公開法廷で行われますので夫婦の内情が公然と明らかになります。
場合によっては、互いに悪口、欠点を感情的に言い合うことも多く、訴訟を遂行する上での精神的負担は大きいものとなります。
手続も複雑になり、裁判官や書記官から言われる言葉の意味が分からないということもあるかもしれません。
長期化することも多く、仕事をお持ちの方は平日の昼間に裁判所に出廷すること自体が時間的負担となります。
従って、訴訟段階では弁護士に依頼することをお勧めします。実際、調停は自身で行っても訴訟段階から弁護士に依頼される方は多いです。
民法に定められているの離婚原因は、
の5つです(民法770条1項)。
では、上記5つの事情のいずれか一つがあれば、離婚は必ず認められるのでしょうか。
770条2項は、「裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と定めています。
従って、形式的には上記1~4のいずれかの事情があっても、夫婦間の事情(子供の有無、年齢、双方の資産、収入状況、婚姻期間、性格、破綻・訴訟に至った経緯等あらゆる事情)を考慮して、裁判官が離婚を認めないという判断をする場合もありうることになります。
「不貞行為」は、裁判上の離婚原因とされています(民法770条1項1号)。
「不貞行為」とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいいます(最高裁昭和48年11月15日)。
従って、肉体関係がなければ裁判上の離婚原因としての「不貞行為」にはあたらないことになります。
もっとも、たとえ肉体関係がなくとも、他の異性との交際の程度によっては「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)として離婚原因となる場合はあるでしょう。
なお、不貞行為があれば、必ず離婚が認められるというものではありません。
形式的には「不貞行為」があっても、夫婦間の事情(子供の有無、年齢、双方の資産、収入状況、婚姻期間、性格、破綻・訴訟に至った経緯等あらゆる事情)を考慮して、裁判官が離婚を認めないという判断をする場合もあります。
1回限りの「不貞行為」で、本人が真摯に反省悔悟している場合には離婚が認められない場合もありますので、離婚を主張する側は、不貞行為を何度も繰り返し、その結果婚姻関係は破綻しているということをしっかり立証することが重要です。
相手が音信不通である以上、協議離婚ができません。
また、話し合いが出来ない以上、調停を申し立てる意味もありません。
この場合、調停前置主義の例外として、調停を経ずに離婚の裁判を起こすことが認められています。
裁判所は、訴状が提出されると、相手方へ訴状等の書類と期日呼出状を送付する(送達する)のが通常ですが、行方不明の場合、相手の居場所がわからないので、公示送達の申立をすることにより、裁判所は、掲示場に掲示して通知します(公示送達)。
公示送達により、掲示場に掲示されてから2週間を経過したとき、相手方に送達されたことになり、相手方が裁判所に出廷しなくても裁判が進められることになり、最終的に判決が得られることになります。
公示送達により離婚訴訟を進めるということは、当然相手方の身分・権利関係に重大な影響を及ぼしますので、公示送達の申立は、単に「相手が行方不明」と述べるのみでは裁判所は手続きを進めてくれません。
戸籍の附票や住民票、行方不明になった事情、何年音信不通か、捜索願を出したかどうか等を詳細に記載した報告書を提出しなければなりません。
無事公示送達の手続を終えることが出来れば、原告(離婚したい側)の主張・立証をもとに裁判官が離婚を認めるか否かを判断します。
民事訴訟のように、必ず認められるという訳ではありませんが、あなたの主張のみを聴いて判断するわけですから、通常は離婚が認容されるでしょう。
経済的利益 | 着手金 | 報酬金 |
---|---|---|
離婚訴訟 | 40万円 | 40万円 |
親権又は面会交流に争いがある場合 | 10万円加算 | 10万円加算 |
※別途消費税が加算されます。 ※訴訟に出廷した場合、出廷日当を頂きます。神戸家庭裁判所管内(近隣支部を含む)及び大阪家庭裁判所本庁の場合、原則として、出廷1回につき、一律2万円です。 |
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