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財産管理のための家族信託(認知症による資産凍結対策)

【ケース】
 Xさん(40代男性)は、父親及び母親(70代後半)が施設に入ることになり、今後の父親の資産管理について検討しておられました。

 万が一、父親が認知症になってしまうなど、判断能力を失ってしまった場合に、父親が所有する収益アパートの管理が行えなくなることが心配です。
 母親は、高齢で身体障がいもあり、これまでも収益マンションには全く関与していなかったため、今後管理を任せるのは難しそうです。

【このまま対策をしない場合】
 今後、万が一、父親が認知症になってしまった場合、原則として、Xさんを含めご家族が父親の所有する収益マンションの管理や修繕を行うことは出来なくなります。
 父親の介護費用等を捻出するために、収益マンションを売却することも出来ません。
 今後のお母様の生活費の準備についても心配になります。

【家族信託による解決策】
 万一判断能力が低下した場合にも財産管理を滞らせることなく、また、お母様に継続的に生活費を渡すことができるよう、収益アパート等を信託財産、Xを受託者として家族信託を組みます。

 父親がまだまだ元気という場合には、信託の効力発生時期を父親の死亡時とし、お父様が死亡した後、Xさんが受託者、お母さまを受益者として信託財産から給付を受けるという内容にすることが出来ます。

 また、収益アパートの所有者である父親を「委託者兼受益者」、母親を「第二受益者」、Xさんを「受託者」とする受益者連続型の信託契約を締結し、すぐに信託を開始することも出来ます。
 この方法ですと、財産管理の主体は受託者であるXとなりますが、お父様が元気なうちは、父親がXさんに管理の方法を教えたり、Xさんの管理の状況・仕事ぶりを確認しながら、父親の生前に信託財産の管理・処分等について継続的な仕組みを開始し、軌道に乗せることが出来ます。
 アパートから得られる収益・給付は、引き続き、父親が受け取ることが出来ます。名義だけを変え、実質はお父様の財産と変わりないというイメージです。

 将来、お父様が認知症等で判断能力が低下してしまった場合でも、Xが引き続き、アパートの管理や修繕を行うことができます。信託契約の内容として、原則としてアパートの売却は認めないことにしつつ、例外的に介護費用や施設入居費用等を捻出するため、売却することも可能としておけば、父親としても、Xがすぐに売却してしまう心配もありません。
 父親が亡くなられた場合、タイムラグなく、お母様が給付を受け取ることが出来ます。

 父親に、Xのほかに弟Yや孫のZがいるような場合には、Xが受託者としての事務を遂行できなくなった場合に備えて、YやZを第二次受託者と定めておくことも出来ます。

 また信託設定にあたっては、Xに報酬を付与することも出来ます。

 第二次受益者である母親が死亡した後、信託財産のうち、残存した財産(残余財産)をXが取得するように設定することも出来ます。

 Xが信託の目的に従って、適切に受託者としての事務を行っているかを監督するため、弁護士などの専門家に信託監督人を依頼することも出来ます。

【税務面】
 上記事例で、当初父親を委託者兼受益者とするのは、信託設定時に母親を受益者とすると、その時点で贈与税が課されてしまうからです。父親を委託者兼受益者としておけば、実質的な利益の移転は無いため、贈与税を払う必要はありません。
 父親が死亡し、母親が受益権を取得した時点で、相続税が課されます。

 なお、信託財産に不動産がある場合には、信託設定時に受託者名義に移転登記を行う必要があり、登録免許税が必要です。
 受託者に不動産取得税はかかりません。

【ポイント】

  1. 財産を保有しておられるお父様が、生前に、自身の判断能力があるうちに、自分の意向に従って、柔軟に仕組みを作ることができます。
  2. 自身が判断能力を失った際に、家族が困ることがないような仕組みを作ることができます。
  3. 自身が判断能力を失った際に、まったくの他人である第三者が後見人として財産管理を行うことを可能な限り予防することが出来ます。
  4. 遺言のように、遺された者に相続開始時に一度に財産移転を行うのではなく、長期的視野に立ち、分割して、継続的に生活費等を給付することが出来ます。
  5. 妻であるお母様が死亡した後の財産の承継についても、お父様が予め決めることが出来ます。
  6. お母さまの判断能力の状態に関わらず、継続的な財産管理が可能となります。

 成年後見を申し立てる場合、家庭裁判所は、必ずしもご家族を成年後見人に選任するとは限りません。財産の規模が大きい場合、後見制度支援信託という家裁が関与する信託を選択させられるか、弁護士等の専門職が選任されることがほとんどです。
 その場合、家族とはことなる第三者が家庭の事情に入って来ることになるうえ、本人の財産から専門職に対する報酬を支払わなければなりません。ご家族が本人の意思に従って財産管理を行うことも難しくなります。

 家族信託を設定するには、相当額の費用がかかりますが、後の後見にかかる費用を考えますと、十分に検討すべき選択肢であるといえます。

自分が亡くなった後の障がいを持つ子どもの生活保障

【ご相談内容】
 ご相談者のAさん(70代男性)は、妻Bさん(70代女性)と、知的障がいのある一人息子のCさん(40代)がいます。
 夫婦は、かねてから、夫婦が亡くなった後のCさん生活を心配してきました。
 夫婦は、あと何年元気で居られるか分からないと感じており、夫婦が死亡した後、Cさんが夫婦の遺した財産を適切に活用して生活をしていくにはどうすればよいか、検討されています。

【このまま対策をしない場合】
 施設に入所し、事実上施設が管理、成年後見制度の利用等が考えられますが、親族の財産管理への関与が難しく、将来に不安が残ります。

【家族信託の活用方法】
 信頼できる親族(甲)を受託者とし、Aさんが委託者(=第1次受益者)、Aさん亡き後はBさんを第2次受益者、さらにBさん亡き後はCさんを第3次受益者にして、Cさんの生活・療養に必要な資金は、受託者甲から必要に応じてC(又はCの法定後見人)に給付するようにします。
 弁護士などのような専門家に信託監督人を依頼しておけば、受託者が勝手に財産を使ってしまったりして障がいを持ったお子さんが利益を得られなくなることも回避できます。
 さらにCさんが亡くなった後の残余財産の帰属先を、親族やCさんがお世話になった社会福祉施設等にしておけば、障がいを持ったお子さんが遺言を作ったのと同じ効果が得られます。
 これにより、夫婦やCさんが使いきれずに残ったお金は、最終的に国庫に帰属させることなく、ご家族が希望する社会福祉法人等へ譲ること等が可能となります。

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弁護士:須山幸一郎

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